「物語算数」のススメ
数学教育協議会の実践・研究の財産の一つとして「物語算数」がある。その形態は、お話をベースに実践を進めていくものと、紙芝居によるものがある。
小学校からなんと高校の先生までが実践してきているのは驚きである。
これは,次のような点で大きな意義と役割をもっている。
@子供をメルヘンの世界へ引き込む。→楽しい算数・数学
とかく,算数・数学は無味乾燥なものとみられがちである。算数・数学といえばこむずかしい数式やおおよそ実生活とかけはなれた論証などが想起されるゆえんであろう。最近では,実物を用いたり教具をもちいたり,かなり「潤い」のある実践も幅広く実践されてきているのだが・・・。
「物語算数」,文字どおり子ども達に潤いを与えていく取り組みである。子ども達にとって距離感のある算数・数学を身近に引き寄せるものがこれであるといってもいいだろう。
とくに,小学校低学年にとっては,たいへん効果的なものである。子ども達は物語算数の主人公に完全になりきり,文字どおりメルヘンの世界に飛び込んでいく。主人公とともに苦しみ,喜び進んで行くのである。楽しい算数・数学を追求するものにとって限りなく魅力的な営みである。
A結果として算数・数学への能動的な意欲を引き出す。
当然,その結果として普通ならやや近寄りがたい算数・数学に子ども達は,能動的に立ちむかっていくのである。
Bプリント授業からの脱皮を
やや警戒すべき点もある。物語算数には一定のストーリーがあり,子ども達はどんどんのってくる。そのことによって,「どの子にわかる」ための工夫がなおざりにされてしまう実践がたまにある。実物を使い,操作活動を忘れ,紙の上だけの展開に終始する実践である。いかに楽しいストーリーでも,具体的思考から出発しない実践は「しんどい」子を生み出す。具体物や操作活動を大事にしながらの物語算数こそ大きな力を発揮することをしつかり認識すべきである。
参考
