新しい人権
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| 現代社会の急激な変化にともない、憲法制定当時には予想されなかったような問題が発生している。その結果、環境権、プライバシーの権利、知る権利、平和的生存権など、「新しい人権」を確立すること
が要請されるようになった。憲法に直接明記されていないこれらの権利をどのように確立するのか。新しい人権が自由権、社会権についで、第三の人権となるのか。形成過程にある
これら新しい人権の現状について考えてみる。
1、環境権 (根拠、憲法13条または25条) 環境権は1960年代の高度成長によって引き起こされた公害を防止する必要性から主張されるようになった。日本では1967年に公害対策基本法が成立したが、アメリカでは1969年頃から「環境権」という言葉が論文で登場し始めている 。 一般に環境権とは、
「健康で快適な環境の回復・保全を求める権利」と定義されるが、具体的には日照権、静穏権、眺望権などをさす。憲法にはもちろん、これらを保障する条文はない。憲法に明記されていないこれらの権利をどうやって保障するか。 大阪空港公害訴訟
環境権はなお形成過程の人権である。 (注)人格権 (注)憲法13条はドラえもんのポケット
2、プライバシーの権利(根拠、憲法13条) プライバシーの権利とは「そっとしておいてもらう権利」(the right to be let alone)として、アメリカの判例で発展してきたものである。プライバシーの権利は、古くから私法上の権利として人格権の一部と考えられ保護されてきた。 しかし、近年、社会の情報化が急速に進展したことにともない、プライバシーの権利は独自の発展をとげ、 「自己に関する情報をコントロールする権利」ととらえられるようになった。そのきっかけとなったのが小説「宴のあと」事件であった。 宴の後事件
その後も、警察官がデモの参加者の容貌を写真撮影した事件
や、区長が弁護士に対して個人の前科および犯罪経歴を報告した事件などは、いずれも憲法13条にプライバシーの権利を実質的に認めたものであり、プライバシーの権利は
こうして憲法13条を根拠とする憲法上の権利として確立した。 また、プライバシーを巡る最近の訴訟としては『石に泳ぐ魚』事件がある。 『石に泳ぐ魚』事件
2005年に個人情報保護法が試行された。 個人情報保護法(2005年施行)
しかし、「自己に関する情報をコントロールできる権利」の保障はまだまだ十分とはいえない。現在、名簿業者の間では、氏名・年齢・性別・住所・電話番号の基本5項目の情報が、一人あたり60銭〜1円20銭で取り引きされていると噂されているし、また、通信傍受法(1999年)や住民基本台帳ネットワークシステム(2002年)も一歩運用の仕方を誤れば、個人情報の大量漏洩につながりかねない。個人情報をいかに保護するかは、情報化社会の新たな課題である。
3、知る権利 (根拠、憲法21条) 民主主義は、国民が自由に思想を形成し、自らの意思を自由に表明することによって初めてうまく機能する。しかし、そのためには国民が、社会の現状や問題点に関する情報を正確に知っていることが前提になる。 これまでの伝統的な考え方では、表現の自由が保障されれば、その効果として当然に、全ての情報が国民の前に明らかになるということが期待されていた。しかし、現実はそうではない。政治・経済・社会情報のほとんどは国家によって集中的に管理され、しかもその情報が重要であればあるほど秘密にされることが多い。 こうした状況の中で、国民が政府のもつ情報の公開を求める権利として登場したのが「知る権利」である。知る権利は、一般に表現の自由(憲法21条)の受手の自由としてとらえられている。すなわち、表現の自由は、単に表現の送り手の自由のみならず、表現の受け手の自由も含むと解されるのである。 1999年に情報公開法が成立した(2001年春施行) 。これによって、情報公開請求権は具体的権利として確立した。
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