福祉関係の職業
(2000年8月調べ)
今,日本は急速な勢いで少子高齢社会に突入しつつある。それに伴い福祉関係の仕事が急増している。大学も少子化対策をかねて,「環境」・「国際」・「情報」などと並んで,「福祉」関係の学部を増設している。福祉は今や専門職の時代に入った。しかし,福祉関係の勉強をし資格を取ったとしても、実際に福祉の仕事につく人は決して多くはない。それは,法学部出身者が必ずしも法曹界に就職しないのと同じである。現在,福祉の現場で働く人は約100万人。10年後には200万人が必要とされる。だが、実際の福祉現場の最前線が求めているのは,大卒のホワイトカラーではない。就職状況はなかなか厳しい面がある。
1,社会福祉士
ソーシャルワーカー,ケースワーカーとも呼ばれ、福祉に関わる最も専門的な職種である。さまざまな相談に応じ,助言・援助を行う。1987年に国家資格となった。4年制大学で一定の単位を取得すれば受験資格が与えられる。ただし合格率は約25%。病院・医療機関,老人福祉施設,社会福祉協議会などが主な就職先である。
社会福祉士のほかには,医療ソーシャルワーカーと呼ばれる仕事もある。これはまだ特別な資格としては定められてはいないが,患者の経済的・精神的な悩みの相談に応じるもので,8割は4年生大学の社会福祉学科などの出身者である。
今後高齢化にともない社会福祉士の需要は高まると思われるが,就職は必ずしも希望通りにはいかないこともある。しかし、本当に福祉の仕事につきたいという意志が強ければ、就職はなんとかなる。
2、社会福祉主事
地方公務員として,各都道府県・市町村の福祉事務所に勤務し,高齢者,身障者,保育所の入所手続き・相談などにあたる。この資格を取ること自体はそれほど難しくはないが,この仕事に就くためには地方公務員試験に合格しなければならず,それが難関である。
3、ケアマネージャー
医師、看護婦,社会福祉士などが、5年以上の実務経験を経て受験資格を得る。介護保険の導入(2000年4月)により新しく出来た資格で,高齢者が保険を利用する際に必要な介護サービス計画(ケアプラン)を作成する。ただし,ケアプラン作成の報酬が低く押さえられているため,この仕事だけで生計を立てるのは無理。
4,介護福祉士
高齢者の障害者などの入浴・排泄・食事などの介護をする介護職の専門家。専門学校などで指定の必要科目を履修すれば卒業と同時に無試験でこの国家資格が取れる。特別養護老人ホームや有料老人ホームなどで「寮母」として働く人の多くは,この介護福祉士養成専門学校の卒業生である。そのほか、介護の現場で3年以上働いて,国家試験に合格してもこの資格が取れる。

『朝日新聞』 1999年4月24日
5、ホームヘルパー
介護保険の導入で、今一番、需要が高まっているのがホームヘルパーである。高齢者の自宅を訪問し,食事や排泄の介護,掃除や洗濯などの家事援助を行う。ホームヘルパーの資格には1級から3級まであるが,2級以上でないと採用されないことが多い。市区町村や訪問介護事業者(ニチイ学館,ベネッセなど)の行う研修を受講すれば資格を取ることが出来る。他人の家に上がりこむ仕事であるから,被介護者から信頼される人間性が求められる。
(参考文献)
『福祉の就職ガイドブック』 大阪府福祉人材センター 500円
『福祉の仕事』 朱鷺書房 1600円
福祉関係のホームページ
同志社大学 小山隆先生(文学部社会学科)のホームページ
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