自分探しの旅
2008年1月3日
「人間には、出来ることと、出来ないことがある。さて、みなさんにできることは何ですか。」
これは、私が大学を卒業する時に恩師の平館道子先生から頂いた言葉である。人間はもとより万能ではない。だが、小学校・中学校、そして高校と、「みなさんには無限の可能性があり、頑張れば何にでもなれる」と教えられ、「練習は不可能を可能にする」、と信じ込まされてきた私には、やはり素直には受け入れ難い言葉だった。
しかし、この言葉の意味を理解するのにさしたる時間はかからなかった。世の中には自分よりすぐれている人がごまんといる。世の中は決して自分を中心に回っているわけではない。その後の人生で、このことをいやというほど思い知らされた。そんなちっぽけな自分にでもできることとは何だろうか。いや、「自分にしか」できないこととは何だろうか。
31歳で高校の教員になって、ようやくその答えをつかみかけた。この世界だったら「一流」とまではいかなくても、せめて「一流半」くらいにはなれるのではないか。そんな思いで毎日授業に取り組んできた。
それから26年が過ぎた。
「人間には、出来ることと、出来ないことがある。さて、みなさんにできることは何ですか」。今もこの言葉が潮騒のように耳底に鳴り続ける。
高校時代に芽が出なければ大学に行って頑張ればよい。大学でも芽が出なければ社会人になって頑張ればよい。20代でダメなら30代、30代でダメなら40代、それでもだめなら50代がある。卒業後四半世紀を過ぎた今もなお、「自分探し」は続く。
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