臓器移植、4つの考え方

2008年2月5日

 

  『ヘーゲル・大人のなりかた』(西 研 NHKブックス 1995年)の中に、臓器移植問題に対する意見が、立場によってどのように違うかコンパクトにまとめられている。面白いので紹介する。(同書 p226)

患者
 新鮮な臓器のほうが体に定着する率が高いから、ぜひ脳死者からの臓器移植を認めてほしい。

家族
 脳死者は温かく呼吸もしている。自分の愛する人が脳死状態だと医師から聞かされたとき,その体が切り刻まれることになかなか納得できなくても不思議はない。

医師
 西洋ではとっくに認められているのに、これが進まないのは日本人のエゴですよ。脳死になったら臓器を提供する、これは、これからの人間のとるべき当然のモラルです。

坊さん
 そもそも、人様から臓器をもらって生きようというのが、あさましい根性だ。人間はいずれ死ぬもの。天から授かった命のなかでせいいっぱい生きることこそ、人間としてのまっとうな生き方でしょう。

 妻とは時々臓器移植について話をすることがある。妻は臓器移植に積極的に賛成する立場だ。「私が死んだら角膜は、誰それにあげて欲しい」とよく言う。死の3兆候が見られた後なら、考えなくもない。しかし、万が一脳死状態になったとき、生きている心臓を取り出してもかまわないと医師に告げることができるかどうか。いくら本人が納得していても、家族としては同意しかねるような気もする。

 欧米と違って日本で臓器移植がなかなか普及しない理由は一体どこにあるのだろう。宗教が関係しているのだろうか?

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