渡辺淳一の世界

2007年1月4日

 
 読書の大半は仕事がらみである。法律・経済・政治・歴史関係の本が多い。年間100冊くらいは読む。ほとんどの本は線を引きながら読むから、読み終わっても売り物にはならない。
 好きな作家(著者)が見つかると、その人の書いた作品を手当たり次第読むことにしている。専門書以外の本では、20年ほど前は城山三郎、和久俊三などをよく読んだ。最近では、渡辺淳一、山田恵諦などを好んで読む。

 11年前に日経新聞に連載された『失楽園』という小説がきっかけで渡辺淳一にはまり、その後、彼のほぼ全作品を読んだ。女性の性の悦びが、男とは比べものにならないくらい深く果てしないことを彼の作品で初めて知った。

 チョーサーの『カンタベリー物語』(14世紀後半)のなかに、「バースの女房」というのがあるが、その女房の性欲が強くて強くて・・・と、昔、大学の英文学の講義で習って、「ふーん、そんなもんか」と半信半疑で長い間すごしたが、渡辺の小説を読んでどうもそういうこともあるらしいと思えるようになった。
 渡辺淳一からは、人間というものについてずいぶん教えてもらった。(・・・、それにしても彼はどうやってそうした知識を身につけたのだろう、などという野暮ったいことはこの際考えないことにしよう)。


 渡辺淳一の男と女の世界を描いた作品もおもしろいが、彼が医者になるまでを描いた初期の自伝的小説『白夜』も好きである。医学部を目指す人に是非お勧めしたい。渡辺によれば、医者も作家も、人間を扱う点では同じだということである。納得。

 

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