公用車

2007年05月26日

 

 公用車といっても自動車の話ではない。自転車である。岸和田高校に転勤した4年前、6000円で中古の自転車を買った。昼食に出かけるとき使うためである。

 ある時、食事に出かけるのに愛用の自転車に乗って信号待ちをしていた。すると、通りがかった教え子の女子生徒が、屈託のない明るい大きな声で、
「先生、足、地面についてヘンでー」
と話しかけてきた。
「ズキーン」
 実は、大きめの自転車を買ったので、サドルを一番低くしても片足が地面に届くか届かないかがやっとだ。

確かに私の足は長くはない、しかし、
「人が気にしていることをアケスケに言うものではない!」
などと内心で思いながらも、笑顔で
「届いているよー」
などと苦しい言い訳をする。



 ある時、その愛用の自転車が召し上げられてしまった。岸和田高校の敷地が狭く、職員の自転車といえども、置き場所を確保するのが難しく、自転車を自宅に持ち帰るか処分してくれということになったのだ。

岸和田から大阪市内まで
どうやって持ち帰れというねん!
しかし、
捨てるのももったいない!

 結局、学校に寄付し、「公用車」として利用してもらうことになった。あの広い学校の片隅に、自転車の1台くらい置く場所がないものか。深紅色の 「公用車」を見るにつけ、今でもちょっと恨めしく思う。
 

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