常識を疑う 2001年9月15日
一般に正しいと信じられている通説も、大前提が崩れるとひとたまりもないことがある。かつて銀行が潰れるなどということは考えることすらできなかった。土地という絶対確実な担保を持っていたからである。しかし、「地価は値下がりしない」という大前提が崩壊すると、「銀行は潰れない」という神話はもろくも崩れ去ってしまった。経営再建ために、やがて銀行員の給料がその辺のコンビニで働くパートの人と大差ない時代が来るかもしれない。今日のような変化の激しい時代には、今まで疑う必要のなかった常識ですら疑うことが必要になってきた。 1、借金は返すもの しかし、借りた金は返すという常識が、ときには無意味なことがある。たとえば、バブル時代の土地投機などに失敗した企業が、銀行に債権放棄を求めている。その金額たるや半端ではない。2000年度に熊谷組、長谷川コーポレーション、三井建設、ハザマ、大末建設、井上工業の6社だけで、9000億円の債権放棄を受けた。 バブルの真っ最中に、中小企業の経営者の間で、こんな会話が交わされたと聞いた。 最初は冗談かと思った。しかし、昨今の状況を見ているとまんざら冗談ではなかったようにも思われる。
2、デフレからインフレへ
高金利は日本経済を直撃する。株価は暴落し不景気に陥る。しかし、国債の買い手がいないので、財政による景気浮揚政策は発動できない。不景気が深刻化し、税収も減り、そのうち公務員の給料すら払えなくなる。そこで、最後に残された手段として、財政法を改正し、日銀引受による国債発行をせざるをえなくなる。しかし、それはハイパーインフレの合図でもある。インフレによって為替レートは暴落し、それがさらに物価上昇を引き起こす・・・・。国債の暴落からハイパーインフレまで、2年間もかかるまい。
3、大衆課税はいけないという常識のウソ 経済が右肩上がりで、税収が豊富であった時代はそれでもよかった。しかし、石油ショック以後、とくにバブルの崩壊以後、経済成長が止まって税収が足りなくなると、途端につまずいてしまった。国はサンタクロースではない。道路1本、橋一つ架けるにも莫大な費用がかかっている。 戸数100戸の小さな島に100億円を投じて橋を架ける場合、住民の負担がゼロであれば住民は喜んで橋を架けてもらうだろう。しかし、地元負担として1戸当たり100万円(総費用の1%)を出せといわれれば、果たして住民は橋の建設を望むかどうか。 税金を払わないで、国から税金を引き出すことばかりを考えていれば、財政が破綻するのは当然である。これまで日本には、大衆課税は悪税であるという常識があった。現在、夫婦と子ども2人の平均的なサラリーマン家庭では、年間所得(=年間収入−必要経費)が328万円以下では所得税を払う必要がない。国民のコスト意識を高めるには、大衆課税こそ理想の税制ではないか。 ・・・なに? そんなことをすれば元を取ろうとして、ますます「たかり」がひどくなる?!
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