売春考
2007年02月18日
売春は人類最古の職業とも言われる。それが犯罪とされるようになったのは近代に入ってからである。日本では、戦前は一夫一婦制に対するガス抜きとして公認されていた。全面禁止されたのは、なんと1956年である。
売春が禁止された最大の理由は、売春が重大な人権侵害だと考えられるようになったからである。借金のカタに娘が売春宿に売り飛ばされ、しかたなく売春をさせられる。それが売春に対する典型的なイメージであるが、そうした社会的弱者に対する救済という観点から売春の廃止が求められたのである。
もちろん、そのほかにも性病の防止や、売春が暴力団の資金源になっている、というような理由もある。いずれにしろ、現在は、売春はれっきとした犯罪とされるようになった。
ところが、売春はいっこうに衰える気配を見せない。それどころか、携帯電話やインターネットの登場により、売春はますます繁盛している(ように思われる)。出会い系サイトが繁盛したり、ネット上に毎日20本も30本も迷惑メールが送りつけられたり、ラブホテルがほとんど倒産しないのも、売春が活発な証とみなして差し支えないだろう。
現在の売春には以前と決定的に異なる点がある。現在行われている売春の多くは(発展途上国から日本に来て売春をする女性は別にして)、経済的困窮から誰かに強制されてするというよりは、小遣い稼ぎのための手軽な手段になっている。
その典型が「援助交際」である。援助交際をする少女たちには罪悪感はまったくない。自らの自由な意志で行うアルバイト感覚なのだ。援助交際で補導された女子高生が警察官に向かってのたもうた。「援助交際のどこがいけない。私はお金をもらってハピー、おっちゃんいい気持ちでハピー。みんなハピー、私は誰にも迷惑をかけてヘン!」。
性のあり方も含め、自分のあり方は自分で決める。そうした論理は「自己決定権」と言われる。他人に迷惑さえかけなければ何をしてもいいのか? 彼女らの論理をどう覆せばいいのか。「ダメなものはダメ」というしかないのかもしれない。
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