何を今さら青臭いことを
2009年1月1日
順風満帆とは行かないのが人生である。だから、いざというときに備えて日頃からセーフティネットを構築しておくことが必要だ。
セーフティネットにはさまざまなレベルがある。
個人的にできるセーフティネットとして一番ポピュラーなものは民間保険であろう。生命保険・ガン保険・火災保険・地震保険・自動車保険などさまざまな保険がある。中でも最大のセーフティネットの役割を果たすのが貯蓄だ。地獄の沙汰も金次第である。
次に、家族を持つことも強力なセーフティネットとなる。私は30歳の時、3ヶ月間だけ失業していたことがある。そのとき家計を支えてくれたのが妻の収入だった。ありがたかった。病気になっても家族で助け合う。家庭は社会を構成する最小単位であり、もっとも強力なセーフティネットである。この年齢になってようやく分かるのだが、結婚というのは、いいときも悪いときも含めて、お互いがお互いの人生を背負い込むことといえる。
結婚して、やがて子供が生まれ成人していく。それにともない夫婦だけのセーフティネットは子どもを含む相互のセーフティネットへと変わっていく。発展途上国でたくさん子どもを持つ理由の一つは、子どもに親の老後の面倒を見てもらうためといわれる。
しかし、戦後、核家族化が進行し、家族のセーフティネットだけでは十分とは言えなくなった。そこで登場してきたのが社会保障制度である。医療保険、年金保険、雇用保険、介護保険、生活保護・・・・。セーフティネットを社会全体で構築しようとする試みである。
もっとも、高齢化の進行により、こうした社会保障にほころびが見える。だから、基本はあくまで家族を含む個人的なセーフティネットと考えるべきであろう。
夫婦の関係を一字の漢字であらわすとするならば、若い夫婦は「絆」であり、年輩の夫婦は「忍」であると聞いて苦笑してしまった。若いときに感じた愛情をいつまでも保ちたいなんて青臭いこと今さら言っても始まらない。そんな愛情がいつまでも続くはずがない。「忍」の一字を心に刻んでしっかりセーフティネットの役割を果たすこと。これも立派な愛情の示し方ではないか。
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