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最近読んだ「エスペラント図書」のリスト


読書記録 (97)
Kiun libron mi legis lastatempe? 

La orpantalono (--/ tr. Sten Johansson ?)

『金のズボン』  (作者不詳 /訳:ステン・ヨハンソンか?)


(21.0 x 14.8 x 0.3 cm: pp 40: 1996 年刊行)

Unuvorte
*450の単語要素を使って書かれた初学者用の読み物なのに、その面白いことといったら!。


読書メモ
*表紙写真のズボンのすそから出ているのは、しわがよった10クローネ紙幣3枚である。この初級者用の読本には、自転車の修理屋さんに会って自転車を買う約束をしたあと、普段はいている茶色のズボンが右のポケットに手を入れるたびに、10クローネ札が涌き出てくるズボンに変わってしまった、すなわち、金のズボンに変わってしまったマッツ少年の話が、日常よく使われると翻訳者が考える450の単語の要素で書かれている。

*この本をスミからスミまで探しても、著者の名前が見つからない。前書きで<翻訳者(tradukinto)>とあるがこれも誰であるか分からない。易しい単語への翻訳者はおそらく発行者のステン・ヨハンソンさんだと思う。著者というか、このお話のアイデアを思いついた人もステンさんではないだろうか。

*「前書き」で、従来の頻出回数からリストアップした易しい単語の類は、初学者ではない人たちが書いたり話したりした物から選ばれている、初学者が早急に生き生きとした活動の中で使いたい単語リストは全くちがう物になるはずで、できるだけ簡単な単語を使い、できるだけ少ない数で書かれたお話が十指にあまるほどあれば、それらから学習者がすぐにアクティヴに使える単語を選別することができると、この<翻訳者>は言う。

  *その作業から生まれた頻出単語リストは、エスペラントを早急に活動的に使えるようにするという教育目的にとって(por instruado cele al frua akviva uzo de Esperanto) 、評価しつくせないほどの価値があると<翻訳者>は断言する。
 さて、それでは2004年現在、この試みへの賛同者がどれほどいて、どれほどの成果が得られているのであろうか。その単語リストは、そのうち明らかにされるのだろうか。

*最近購入した(2004年9月、KLEG より)この本には、1996年発行、2003年印刷とある。とすると、手元にある本は第2版か? 数箇所、印刷が薄れ読みにくい箇所がる。ミスプリはない。

*易しい単語ということで、ただ一つ、「起きる」を maldormiĝi としているのが(「寝むる」の反対語)私の気になった。これは vekiĝi で良いのでは、と。でも、慣れればこれでよいのかもしれない。
 バラ・ネウド国の言葉で話されるチンプンカンプンの類を、「彼には 'Bumidibumdumdam' と聞こえる」などとしている遊び心は素敵。

「茶色の朝」とは異なった趣の寓話だが、大金があっても世界を貧困から救うことは容易でない、そうされると困る勢力があるということ、世の中の矛盾と妥協する大人たちにではなくて、純真な青少年に希望を託したいという作者の夢が語られる、初学者向けのエスペラントの読本である。

* tralegis: 2004. 10. 10.


あらすじ
 (それぞれの章の冒頭部を訳してみた。 …これらの文章がすべて450以内の語要素で書かれているのは驚くばかりだ。)


 全体を3章に分けてある。序破急というところか。

1. 「 私は長い間パリで一人の若者と一緒に暮らしていた。彼の名前はマッツだ。彼は普段はあまりしゃべらないが、ある晩、彼は私に金のズボンをはいた男の子の話をしてくれた。長時間かけて話したあと、私をじっと見てこう言った。「君は私が作り話をしていると考えているんだろうね」私は何も言わなかった。「君は私が作り話をしていると考えているんだ」と彼は言った。「でも、五、六人がそれが本当のことだと知っているんだ。私の父もそのことを知っていた。彼は去年死んだんだ」
 すべては、7月のある暑い日に始まった。...」 

2. 「ここまで話してきたことを、私は確かめてみることができた。私は自転車の修理屋さんを探し出し、彼と話した。彼はマッツとその時の出来事を、マッツが話してくれた通りによく覚えていた。彼は7月3日のことを覚えていた。彼の持っていた古い書類の中に、私はこの本の最初のところで話したあの書付を見つけたのだ。その書付で、72(72クローネ…注)を82と訂正してあるのも私はちゃんと見た。
 スカニア新聞の記者たちも、トコ(マッツの父…注)について沢山のことを語ってくれた。...」 

3. 「金のズボンをはいた男の子とその子に何が起こったかという話を終える前に、マッツ・ニルソンがパリでその夜私に話してくれたことを、私はもう一度くり返し話したい。
 彼が話し終えたあと、私たちは長いこと黙って座っていた。窓の外では、パリに朝がやって来るところだった。
 「私のした事は間違っていなかった」と、マッツは言った。「だって、私は自分の信ずるところに従って行動したのだから。<お前がみんなのお金を奪うことができるだろう、などと信じてはいけない。彼らが百万も持っているということは重要ではない、人間は、だが、けものより悪いのだ>と言う、私の父のトコも間違っていなかった」
 「トコは正しかった」と、マッツは言った。「そして、私はもう一つのことで間違っていたんだ。私は、私のズボンで世界を変えることが出来ると信じたのさ。でも、私は世界がどんなか知らなかった。世界を変えるということは、人類を変えるということなんだ。そんなことをお金で出来るわけがない。おそらく、世界をより良くすることは出来るが、そしてそれも重要なことだが、お金で人間を変えることは出来ないのだ」
 「でも、そのことを私は知っていなくて良かったと思う。...」 


(2004. 10. 10. 最初の書き込み。)

 

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