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最近読んだ「エスペラント図書」のリスト


読書記録 (69)
Kiun libron mi legis lastatempe? 

Fajrejo  (Johan Hammond Rosbach)

『たき火の跡』 (ヨハン・ハモンド・ロスバッハ作)


(20.1 x 14.5 x 0.9 cm: pp 132: 2002 年刊行)

Unuvorte
*80歳をすぎて健在の大ベテラン、ロスバッハさんのエスペラントを読もう。


読書メモ
*著者は、1921年、ノルウェーのレーロース生まれ。オスロ大学に学び、専門はラテン語と文学。そのほかに、フランス語とドイツ語。戦時中は2年間鉱山で働き、ドイツ軍の強制収用所にも一年。1951年に、オスロ南の工業都市、サルプスブルグで高校教師の経験あり。1938年にエスペラントを学び、早くも翌年にはクリスチアンサンのエスペラント・クラブの会長を務めた、と巻末のノートに。

*さらに、絵を書くことが好き(Ŝatas desegni) とあり、表紙を含め頁大の大きさでサインと年号が入った7枚のペン画が、短編小説(あるいは随筆)の題とは無関係に本書にちりばめられている。また、スキーも趣味で、金賞のトロフィーをお持ちだそうだ。スウェーデンの Sten Johansson さんもスキーが趣味だった。寒い冬を私は好きではないが、処女雪を踏んで山岳旅行をする楽しみがある北欧の人たちを、ちょっとうらやましく思う。

*エスペラントは、漢文を読むような感じで、面白い(例えば、Svatado estas arto. 「男女の仲を取り持つには芸術的な技が必要だ」・・・短編「口紅」の冒頭、など)だ。単語を選んで簡潔に表現するといった感じで、現代の若手の書いたものを読みなれた私には、新鮮にさえ思えた。光沢のあるアート紙に、大きめの活字で目に優しい。ミスタイプは数箇所気づいたが、簡単にそれと分かる。

*残念なのは、それぞれの短編(日本語でこれらの作品群をなんといったら良いのか分からない。副題として skizoj kaj noveloj (「スケッチ(複数)と小説(複数)」)とある。こんなに短くても小説というのだろうか?)の書かれた時期、初出誌などの記載がないこと。挿入されている絵(スケッチのこと?)に書かれている年号から判断して、1985年から1992年ごろの物かと推定されるが...

*いくつかのお話の内容を以下にまとめたが、いずれもなかなかしゃれたお話で、数ページで終わるので、一日一章などといったペースで読む、あるいは例会で皆と一緒に勉強する、などに適当な本である。

* tralegis: 2004. 1. 3.


短編のタイトル(ページ数)、あらすじ
*たき火の跡(3)・・・パスヴィック川でロシア軍と対峙して野営した時に聞いた話。ドイツ軍が攻めてきたという話を聞き、出稼ぎに出ていた3人の兄弟が故郷を目指して、歩き始める。もうとても歩けないという一番下の弟が、兄に言われたとおり、遠くの大きな岩陰に1年前に父が焚き火をしたあとを見つけてまた元気を出す。<とてもすてき>

*地下鉄の中で(4)・・・終戦直後、母と一緒に地下鉄に乗っている時に、元強制収用所の所長に出会って、思わず立ち上がって敬礼しそうになったことを思い出して...。<いい話だ。人生は、かくも楽しい>

*つぼを売る人(5)・・・ギリシャでのこと。喧騒の通りから逃れるようにして入った陶器店。老人が身振り手振りでいろいろのつぼを見せてくれるが、私はギリシャ語が話せない。ためしにフランス語で話してみると「だんなさま、私は第一次世界大戦で捕虜になった時、フランス語を覚えたのです」と。「あなたはもう私には単なる旅行者ではありません。あなたは私には人間です、れっきとした(vi estas al mi homo, persono)」...。<言葉が通じると>

*写真家(5) ・・・妻とウエールズ地方の城砦を訪ねる旅をしていたときのこと。黄色と紫色のストライプのシャツを着た写真家と、その銀髪の若い女性のモデルの行動が気になった。ポーズをとろうと船べりから湿地に降りた女性が、私の双眼鏡の視界から消えた。河口の湿地に呑みこまれたのでは?

*口紅(4) ・・・同級生のライダーのために、ダブルデートの役を頼まれ、あまり魅力が感じられない女の子とデートし、怒らせた挙句、顔中に口紅を塗られる。口紅を落として帰ったので、下宿のおばさんにはばれない筈だったが...

*真の男の子(3) ・・・僕たちは12歳。仲間に勇敢なことを見せようと、国民の祝日の5月17日の前に、山の湖で泳がねばならない。ところが、湖岸から少し離れたところでは氷が浮いている...

*土曜日(4) ・・・戦時中の一冬、兄と私はレーロースの銅山で働いていた。テーブルに置いた牛乳がすぐに凍ってしまうような寒い山村で。家にかえれる土曜日のために、金曜日は早出をして...

*ゼリー(3) ・・・戦争が始まった最初のころは、ぜいたく品が手に入らなくなり、ゼリーが大変ぜいたくな食べ物となった。友人のクヌートが、ゼリーの粉末を手にいれ私を招待してくれた。彼の部屋には、ボール紙で作った見事なアクロポリス神殿があった。あの太い指で、こんな繊細な作業ができるなんて。私も何か作ろうと決心した...

*適格者(3)
*ナイフ(6)
*ヤヌス神(5)
*教会の鍵(8)
*パノラマ・ウィンドウ(10)
*JOH 14.6(5)・・・6月。高山のお花畑は陽光にあふれ、何千もの蝶が飛び交い、我々登山者の目を楽しませてくれる。やっとたどり着いた頂上の岩肌に、赤ペンキでまだ生々しく JOH 14.6 と書かれていた。文字の高さは2メートルに近い。もちろん、人はどこでも、アルプスの頂上ででさえ、伝道をしてもさしつかえはない。だけど、自然を汚してはいけない、たとえ聖書の章句であろうと。でも、ヨハネ伝の14章には何という教えがあるのだろう。誰か聖書を持って来ていないか... ところがそれは章句ではなくて...

*モニュメント(7)
*ショール(4)
*ヒロイン(3)
*鹿(4)
*ドア(5)
*必要と救済(8)
*ジョンおじさんの幸せ(5)
*道(12)
*金色の木(4)
*赤いバツ印(4)・・・コア教授に、生徒に出す試験問題に誤りがないか見てくれ、と言われたジャンボ教授が、訂正箇所に赤いバツ印をつけて用紙を返す。翌朝、ジャンボ教授が学校へ行くと、コア教授が手に試験用紙を持ちカンカンに怒っている。「なぜ、私の原稿に赤いバツ印をつけたのか?」...

*複数語尾のx(6)・・・フランス語の -ou で終わる7個の名詞は、複数語尾に -x をとる。この7個をあげろといわれても、いつも私は6個しか思い出せない。この文法問題が、私の人生に少なくとも二度、登場した...
(2004. 1. 19. 最初の書き込み)

 

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