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読書記録 (6)
Kiun libron mi legis lastatempe? 

Fadenoj de l'amo  (Gerrit Berveling)


(21.0 x 14.0 x 0.5 cm: pp 104: 1998 年刊行)

読書メモ
* 編者による前文に、これは問題作、と書かれてある。たしかに、現代の愛のかたちを問う重い作品だ。エスペラント文学の中で、その文体から、その内容から、これからの書き手にとって、あるいは読者にとって重要な作品とされることになるだろう。

*最初の方で「人は何のために生きるか?(Por kio vivas la homo?)」という問いかけが何度か出てくる。さらに、男は(女も)、同時に二人の女性を同じように献身的に愛することができるはずだ、と。重い、重い。

*男女二人が契約し、その結果お互いをしばってしまうというような形のこれまでの結婚のありかたは、古い時代のもので、もっと多様な夫婦のあり方があっても良い、というようなことを読んでいて考えさせられた。

*著者が序文として、「現代の教会の役割、牧師の役割が変わってきている。教会はストレスの多い現代社会で疲れ果てた人間にしばしの休息を与える場として機能しうる」と述べている。そして、この物語は主人公の悩みを聞いた牧師がまとめた、という形をとっている。

*「あなたは今何々をしている。そして、何々をする」といった文章の間に、主人公と二人の女性のメモをちりばめて三人三様の生き方、考え方、実験的な愛の形が語られていく。

*Perugia(サッカー選手の中田で有名になった?), Verona, Cortona, Florenco(エスペラント化された都市名), Assisi など、イタリアの各地が三人の愛の舞台に。

* tralegis: 9.21. 2002



あらすじ
 「ふたたびあの日に戻ろう、あなたが泣きたくなったあの日に。あなたは泣きはしなかった、泣いてもなんにもならないから」という、書き出しで始まる。「あなた」は主人公の Anton 。「あなた」と呼びかけているのは、このお話の後のほうで推測できるが、Anton の告白を聞いた牧師さん。著者の序文からもそれが分かる。

 Anton と Sonja がオランダからヒッチハイクをしながら、イタリアのペルージャ(Perugia)にあるイタリア語学校へやってくる。寄宿舎の4人部屋で同じくオランダからやってきた Ike に会ったとたん Anton は Ike が好きになってしまう。Ike も Anton をたちまち好きになってしまう。Anton にとってはどちらを選ぶ、というのではなく、どちらも同じように離れられない存在となる。Sonja にとっても Ike は素敵な女性だし、Anton との関係もとくに嫉妬するほどのものでもない...

 

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