*この本も、前回の読書記録(58)同様、ヨーテボリ世界大会(2003年)の本屋さんで買ったもので、この年の新刊である。ハードカバーで堅牢に仕上げてあり手になじみやすい大きさで、内容はいうに及ばず、読んでいて非常に気持ち良かった。年々、良書がますます素敵な製本と装丁で出版されるようになってきたのは、うれしいかぎりである。
*全編が、インタヴューの形式で書かれており、読みやすいし、我々には会話のお手本としてもとても参考になる。しかし、それは付随的なことである。何より、聞き手と話し手の間で展開され、紹介されるザレスキーさん自身の、あるいはザメンホフの、彼をとりまく人たちの、その子どもたちの数々のエピソードがとても面白い。ザレスキーさんの父母を含め、ザメンホフの子どもたちの悲惨な運命には胸ふさがる思いだが、最初の章の、奇跡の連続で一人難を逃れるザレスキーさんの体験は、映画か小説のプロットのような波乱万丈さである。
*著者による「あとがき」に、この本の成り立ちが詳しく述べられている。著者は、ポーランド・テレビのプロデューサーで、これまでに8冊の「イベリア−アメリカ人(ibero-amerikan)」に関する本を出しているが、9冊目がポーランド語版の本書(Ulica Zamenhofa)、そして、10冊目がそのエスペラント訳の、本年(2003年)出版の本書で、エスペランティストとして50年になろうかという著者のはじめてのエスペラントによる著作だという。
*ポーランド語版が出版されるまでには、二人の会話が始まったリトヴィア旅行から8年、エスペラント版がでるまでに、さらに2年かかっている。両者の版には、ポーランド的なものを少なくするなどちがいがあるという。本書を読みはじめてすぐ気がつくことは、資料を見ずにこんな細かいことまで単なるインタヴューで話しあえるはずがない、ということである。「あとがき」には、はっきりと、この本はテープなどをおこしたものでなく、二人の8年間にわたる折々の会話から、著者がインタヴュー形式の「下書き」を書き、ザレスキーさんがそれを修正し、さらに討論を重ね、という過程をへて作られたものである、と書かれている。その点で、不自然さを感じないでもないが、しかし、歴史的事実を実際の会話のまま、不正確な記憶に頼ったままのを活字にされたのでは、読まされる側はたまったものではない。インタヴューを、後から正確なデータで補完してさらに興味深いものにするというのは、とても有益な方法である。
* tralegis: 2003.9. 20.
章立てと、コメントを少々
*序 ...
*まえがき ...
*壁 ...
...
*島 ...
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*塔 ...
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*道 ...
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*橋 ...
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*あとがき ...
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*文献 ...
*インデックス