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最近読んだ「エスペラント図書」のリスト


読書記録 (211)
Kiun libron mi legis lastatempe? 

Lecionoj por knabo (Mikaelo Bronŝtejn)

『子どものためのレッスン』(ミカエロ・ブロンシュテイン) 


(20.1 x 13.0 x 0.7 cm: pp 128: Eldonejo ≪Impeto≫;モスクワ;2009年)
( 2010年3月、 KLEG 図書部より;1,600円 )

Unuvorte
*あの CD の主による心優しい短編集。


読書メモ
*2009年に60歳。まだまだ心温まる詩や歌、小説で楽しませてもらえそう。エスペラントの文章は歌詞を読んでいるようでとても美しい。

*継母にいじめられ、アメリカへ密航するんだという子供が出てくる。オデッサから行くのだと。オデッサは港町?

*短編をいくつか読んでいるうちに、ロシアの事情がいろいろ分かってくる。例えば、学制。新学期は秋に始まり、小学5年生からは先生が複数になり科目ごとになる、10年生(15歳)になると卒業で、資格試験(abituriento) と共に、6月末にサヨナラ・ダンスパーティー(adiaŭa lerneja balo) がある、など。そして、ウォッカをめちゃめちゃに飲む人たち...

*ネヴァ河(la riverego Neva) とそれに連なる水路が豊富なペテルブルグはとても素敵な町に違いない。作者のこの町に寄せる思いがどの作品からも伝わってくる。"Libella" には、この町が「ピーター」の愛称で呼ばれている、と脚注にある。
 Piter - malformala nomo de la urbo Sankt-Peterburgo.  さらに:
 La ĉarma junia tempo de blankaj noktoj en Peterburgo estas la plej agrabla ne nur por gapantaj turistoj, kiuj svarmas tutnokte tra la diafana krepusko. Al la senhejmuloj Peterburgaj tiu periodo krom varmo donacas ankaŭ senprobleman ĉiutagan enspezon. と("Fatraso")。

*cigano(ジプシー) についての記述がある。いま、フランス政府がロマの人たちを本国にお金を与えて送還するというので問題になっている(2010年8月)。
  … Li (Roman) estas cigano, panjo diras. Mi opinias, ke ciganoj venas al ni printempe kaj restas ĝis aŭtuno en la herbejo apud la rivero -- tie ili amasigas siajn ĉarojn. Por vintro la ciganoj malaperas, forveturas ien. Sed Roman ankaŭ vintre vizitas lernejon... Ne, Jankele, diras panjo. Roman tamen ja estas cigano...

*「私」で書かれる "La unua instruistino" では、ヴァイオリニストになった同級生と一緒に先生に会いに行く話で、自伝風。この短編で、初めてエスペラントという単語が出てくる。エスペラントで出版された詩集をその同級生に贈るという挿話として。彼女は「もうエスペラントは忘れてしまった」と返事するが。57歳の「私」には30歳になる息子がいると、先生に問われて答える。ブロンシュテインさん自身のことだろう。

*素敵な言い回し、単語の使い方など:
・ŝi estas tre-tre linda knabino! … 雅語で「愛らしい」
・Pro mia timo, la pordo, pli forte puŝita de mi, ovriĝas abrupte. … = malfermiĝas
・Lia patro decidis loĝigi lin en internulejo, kvin kilometrojn for de la urbo. Tio efektive okazos septembre... … 「寄宿学校」。ロシアは秋に新学期が始まる。
・Vi devas legi nun vican ĉapitron de "Doktor' Aj-dolor'" … 「次の」。 vic- の使い方!
・Patro de Marina estas oficiro, finprintempe li estas sendita por militservo al Mezazio. … 「春の終わりに」
・Ŝi loĝas en apudurbo de Vilinius en komforta apartamento de multetaĝa domo. : Mi diru veron: tiu kvarĉambra apartamento iom ŝokas min. … 「アパート」の使い方。
・- Mi jam kuras! - blekas mi responde, haste vestante trejnpantalonon, kaj kuregas al la unua etaĝo - tie nia komunloĝejo havas la solan telefonon. … 「トレパン」
・Vita! Ĉu ĉio bonas ĉe vi?
・Ili junas kaj tro urbemas por daŭre loĝi cent kilometroj for de Piter. … 'juna' と 'urbo' の使い方。
・Stasik devus veni hodiaŭ, kaj ŝi ne povis antaŭvidi, en kia stato li estas aperonta - ebria aŭ sobra, malsata aŭ post restraciumo.
・英国語の "Deal!"、日本語の「決まり!」に相当するエスペラント? "Taŭgas!"
・la vasta geedza lito … 「ダブルベッド」
・- VoDo, estas mi, Borkovskij! - respondis transpordulo.
・- Voku lin, - diris Viktoro. - Vi estas libera, kamarado, - li pace deklaris al la gardestro. - Dume. Tiu "dume" estis lia ŝatata ŝerco, legita en iu krimromano. … 「今のところ」
・kontenero … 「コンテナ」
・Kie 'stas mia jako? Kie la "SEIKO"? Kaj la kolĉeno ora? … 時計の「セイコー」


* tralegis: 2010. 8. 28.
  



内容

Bondeziroj (著者60歳に対するお祝い)   … 5頁
  3頁にイタリックで "Al 60-jariĝo de la aŭtoro" とあり、4頁にマイクの前でギターを抱えた笑顔のブロンシュテインさんの写真、5頁からヴァレンティン・メルニコフさんら5人から寄せられた詩が載せられている。

Lecionoj por knabo   … 10頁
  「…。今のこども達に分かってもらえるだろうか、あのいつも飢えて、ろくな教育も受けられなかったころのことを。テレビもコンピューターもケイタイもない時代のことを…。でも、その子らのおじいさんは昔を思い出して涙してくれるかもしれない。」といった書き出しで、男の子から見た不思議な生き物、「女の子」のことを、自分の経験や人から聞いた話をもとに優しく語リかけてくれる。こどもの好奇心は世界中どこでも、いつでも同じだ。4歳の時いとこに会って初めて異性を意識したことに始まって、大学生となって恋人の Vita と大晦日を寄宿舎で一緒に過ごし、駅での別れの時に「実は...」と切り出される話まで。

Libella   … 53頁
  Libella とは、元ヘリコプターのパイロットだったアンドレイ・イリイッチが温室で育てているきゅうりの品種の名前。味はいいがツルが思うように伸びてくれない。隣人のソネチカはネコと暮らす独立心の旺盛な女性。彼女は花を育てて花輪を作り、生計を立てている。夫のスタシクは呑み助で週に2,3回酔っ払って妻の元を訪ねてくる。アンドレイの妻は庭いじりが性に合わずレニングラードで離れて暮らす...

La ordeno   … 67頁
  ボリスは10人ほどの炭鉱夫をまとめる班長。その仕事振りが鉱山でノルマ達成に目を光らす党幹部に認められて表彰されることになる。若い班員の祝い事から酔っ払って帰ると、その党幹部から、祖父の出生が不明で調べるようにと電話がある。ユダヤ人の係累には勲章が出せないからだと言う。翌日、坑内でちょっとした落盤事故があり...

Opeleĉjo   … 81頁
  1200cc のオペル・カデット、スリー・ドア。サビーナは見たとたんに好きになった。夫のフランツが嫉妬するほど好きになってしまった...。1984年生まれの私も年月がたつうちに、時々故障するようになり、サビーナは手放すことになった。持ち主が変わり海を越え、サンクト・ペテルブルグへ運ばれて、ストリート・ギャングの持ち物になるまでに落ちぶれる。その主人は外国人観光客の親子がホテルから出てきて散歩に出るのを待ち伏せる...

Peco de kablo   … 89頁
  1980年代の8月21日の深夜から朝、昼、晩、にかけて。電話局からケーブル線が切断され大量に盗まれた。国家機密委員のヴィクトルが深夜に起こされ、捜査に当たる...

La gajnita motorciklo   … 102頁
  仲の良かった伯父と叔母の間を裂いたのは、私にも原因があるのかもしれない。叔母がいとこの夫のセルジョに贈った宝くじが当たってオートバイの≪ウラル(Ural)≫が手に入ったのだ。ところが、伯父も宝くじを贈ったと言い出した...

Fatraso   … 110頁
  カチューシャは電車の車掌。酔っぱらいが降りた後の座席の下に100ドル札を見つける。娘のサシュカが長靴を欲しがっていた。拾おうとすると待ったがかかる。「俺が先に見つけたのだ」とホームレスの男、ニキータ...

La unua instruistino   … 118頁
  私は57歳。7歳の子供だった時、同年代の子供と一緒に写った一年生の写真。陽がまぶしかったのか半分目を閉じて。隣にニーナ、そして、新任の女教師も...






 (2010. 8. 28. 最初の書き込み。)

 

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