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最近読んだ「エスペラント図書」のリスト


読書記録 (205)
Kiun libron mi legis lastatempe? 

La aĵoj kaj la sezonoj (Ulrich Becker)

『事物と季節と』(ウルリッヒ・ベッカー) 


(22.6 x 15.0 x 0.9 cm: pp 114: Pro Esperanto 社;ウィーン;1996年)
( 1,700円が修正されて、1,100円になっている。売れ残って、値下げされたか? KLEGより )

Unuvorte
*UEA の文芸コンクール受賞作を中心にした小説集。難解な作品が多く、ベテラン向き。


読書メモ
*このゴールデン・ウィークに何か1冊読んでやろうと選んだ末に取り上げた本がこれ。まだ読んだことがない作家として。新しい小説と言うのはこういうものか、と勉強になった。字が結構大きくて老人にはありがたかった。

*リノリウムによる白黒の版画が6枚(Uday K. Dhar 作)ついていて、作品の理解を深めるようになっている。

*現代作家なのに、ネオロギスモ多用で読みにくいということはほとんどなかった。ただ、時々、長い長い文章が出てきて、ピリオドが果てしなく遠いところにある、ということが多々ある。

*前書きも後書きもないので、作者のことは何も分からない。作品から、1981年に東独に住んでいたことがあること、当時、22歳だったことなどが明らかに。







*面白い単語、表現など
・dorndrata barilo … 鉄条網、有刺鉄線
・glaciaĵumi … bierumi などと同じで、「アイスクリームを食べる」
・Iu menciis ke la tuta sceno ĉi tie povus facile esti kuliso el filmo de Kaurismaki. … 「街の灯」などで有名なカウリスマキ監督の名前がでてきて「フムフム」と思ったが、こういうように kliso(舞台装置) が使える。
・bretsketantoj … スケボー(スケート・ボード)のことと思われる。
・belvedero … 「見晴らし台」
・dektrijarulo
・smog-alrma signalo … 'smogo' 「スモッグ」だが、『エスペラント日本語辞典』になし。
・Ili tenis la okulojn fermitaj, revis pri la-Dioj-scias-kio, ĝuis la trankvilan tuŝon de ŝia dekstra kaj lia maldekstra brakoj kaj silentis.
 Jam dum du horoj ili tielis.  … 'la-Dioj-scias-kio' 「神のみぞ知る」。そして 'tielis' 「そんな風にしていた」。


* tralegis: 5. 3. 2010.
  



収録作品のタイトルとその内容

Rezolucio 11.59.h.   … 5頁  (1990年に新人賞)
  1999年に秘密の場所で開かれた第1回総会の決議書。人間を除く全生物が、このままでは自分たちの存続が危ぶまれると、人間を倒そうとの決起を呼びかけたもの。

La Aĵoj kaj la Sezonoj   … 8頁  (1995年に1位)
  表題作。まず、老婆、アルバム、リンゴ、雌猫がいる部屋の情景がねっとり描かれる。次に、月光の下にある朽ち果てた老婆、色あせたアルバム、しなびたリンゴ、雄猫に押さえつけられた鳴き声を張り上げる雌猫が描かれる。第3景は死体から、リンゴから、猫の尿からの腐臭が漂う部屋の情景が描かれる。周りでは子猫が6匹駆けずり回っている。最後に、主語が Mi となり、第1景と同じ、リンゴ、アルバム、雌猫が描かれる。そえられたリノリウム版画は、人面をした猫が交尾している様子。

La Venko   … 18頁  (1995年に佳作)
  タイトルは 'la fina venko' (「エスペラントが世界中で日常的に使われる」)から。  およそ50年前の1994年に私はNYをパスポルタ・セルボを利用して訪れ、その破滅的な大都市に驚いたのだが、そこであった友人の Alec は、いつか科学者たちが人間の体を原子に分解し、ある場所から別の場所へ送ることが出来るようになると信じていた。6週間前に、ヘロルドに彼が原因不明の死を遂げたと報じていた。4週間前にパリで彼にそっくりの若者に出会ったのだが、彼は孫だという...  ここにもリノリウム版画が一枚。

Trompo   … 27頁  (1991年に2位)
  紺碧の空に小さな雲が一つ。浜辺は海水浴を楽しむ人たちで一杯。若いスザンナと既婚の中年男もその中にいた。スザンナが立ち上がって砂粒を払い落とし、海へ入ろうと駆け出す。「狂ったのかい、俺は水には入らないぞ」と著者の声がする! 読んでいる読者まで巻き込む、意外な展開!

La Okuloj de Nanimbo   … 34頁  (1991年に1位)
Jingoj aŭ Ĉar ni estas germanoj   … 41頁  (1991年の作品)
Bagateloj (Komedio en ses aktoj)   … 48頁  (1990年に新人賞)
La Memoreroj   … 53頁  (1995年の作品)
   Tri kazoj de Amoro  … 55頁
   Tri kazoj de Amo  … 65頁
   Tri okazoj en Urboj  … 71頁
   Tri okazoj el Histrio  … 78頁
La Esperanto-maŝino   … 88頁  (1995年の作品)
Enhavo   … 114頁

 



 (2010. 5. 29. 最初の書き込み。)

 

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