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最近読んだ「エスペラント図書」のリスト


読書記録 (190)
Kiun libron mi legis lastatempe? 

Higieno de l' murdisto (Amélie Nothomb/ tr. Armela Le Quint kaj Ĵak Le Puil)

『殺人者の健康法』(アメリー・ノートン/訳 アルメラ・ル・クイント、ジャック・ル・プイル) 


(20.0 x 13.6 x 1.3 cm: pp 151: ハード・カヴァー Eldonejo KLEKS;ポーランド 1998年?)
( 2002年8月 KLEG より取り寄せ 1,100円 )

Unuvorte
*神戸生まれのベルギー人女性作家による処女作。


読書メモ
*ジャックさんらによるエスペラント訳を「月刊誌 『モナート』」の編集長のステファン・モールさんと UK のリブロ・セルヴォでよくお目にかかるイオネル・オネットさんが校閲している。読む際にこの本ほど字引を引かされたことは、最近、なかった。それほど内容が奥深いとも言えるし、面白かったからとも言える。だから、二人の校閲も必要だったのだろうと思う。

*'Wikipedia' によると、文芸春秋社から柴田都志子訳で1996年に日本語訳が出版されている。日本語のタイトルはそれに従った。ちなみに、《エスペラント日本語辞典(2006年)》によると、'higieno' の訳は「衛生;衛生学;健康法」とある。

*見開きにアメリーさんの自筆の訳者二人への感謝状(フランス語)のコピーがある。そのエスペラント訳は、以下のとおり:

                 パリ、12/2/1998
  エスペラントに翻訳されるなんて何という喜び!
  私はお二人に大変感謝しています。
  ベリー地方*より国際的なところってほかにある?
  私はお二人に情熱を込めて接吻します。
 (*)訳者による注:ベリー地方はフランスの中央部にあり、訳者二人が住んでいるところ。

 出版年が定かでなく、本作品の発表は1992年。ひとまず、エスペラントでの出版はこの感謝状にしたがって、1998年とした。

*もう一回り字が大きいと良かったが、重厚な 'ニグラ・セリーオ' の体裁を保つため、内容の面白さゆえ文句は言わない。この、黒のシリーズ、私どもの HP では "Mondoj" に続く2冊目。"esperanto" 誌の KLEKS の広告を見ると2009年現在、7冊ある。

*全体に新聞記者とノーベル賞作家との会話によるバトルで、特に後半の女性記者とのバトルは凄まじい様相を呈し、大島渚の「絞首刑(エスペラント訳は 'La povo de la sensoj' ) 」が取り上げられるなど、記憶に残る。この本のタイトルはこのノーベル賞作家の未完のままで出版された作品のタイトルでもある。なぜ、書かれなかったのか...会話のバトルで問題となる。

*いくつかの記憶にとどめたい言い回しや単語、表現:
 Vox populi, vox dei …朝日新聞のコラム「天声人語」はこのラテン語に由来するが、そのエスペラント訳が注として出ていた。すなわち、 parolo popola estas parolo dia.
 mizogineco … 女嫌い
 ventokapulo … 頭が空っぽな人
 fojnkapulo … 干し草がつまった頭の持ち主
 skafandro … 潜水服
 sunfrapo … 日焼け、日射病
 zapi … ザッピングする〔チャンネルをつぎつぎと切り換えながらテレビを見る〕 ←《エスペラント日本語辞典》より。

* tralegis: 10. 12. 2009.
  


裏表紙のキャッチコピーをこの作品の紹介とする

 プレテクスタット・タッシュは80歳。ノーベル文学賞をとった作家だが、もうあと2ヶ月ほどしか生きられない(注:奇病ともいえる軟骨のガンが見つかった)。怪物のように太っていて、人嫌い。彼にインタヴューをしようとやってくるジャーナリスト達を皮肉たっぷりに、残酷なまでにやっつけて追いやることに楽しみを見出している。最初の4人の記者が恐れ入ってつぎつぎと逃げ出してきた。5番目に向かった女性記者、ニナは彼を支配し、彼の秘密を暴くことに成功する:会話の中に犯罪が隠され、欺瞞が作品そのもので隠されている。涙と血から成る真の文学だ。

(…この、「涙と血(larmoj kaj sango)」に引かれて、この本を読んでみる気になった)


ついでに裏表紙にある作者の経歴も

 アメリー・ノートンは幼少期と思春期を極東で過ごした(注:23歳で再来日し、住友商事に1年間勤務する、と Wikipedia に)。現在は、ブリュッセルに住んでいる。ロマネスク時代の文献学を学んだ後、作家業に専念。「殺人者の健康法」は彼女の第一作。


 (2009. 10. 31. 最初の書き込み。)



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