
| 最近読んだ「エスペラント図書」のリスト |
Ĉu rakonti novele? (Johán Valano)

短編小説のタイトルと簡単なあらすじ
# Tien kaj reen (行ったり来たり)
早朝の海岸近くの喫茶店。巡回の警官が立ち寄ると、店長が困った顔をしている。隅のテーブルに疲れきった様子の少年がミルクを前にして震えている。リュックや衣服に血で汚れたようなあとがある。警官が少年の額に手をやると熱がある。少年を別室で寝かせたあと、少年の足跡をたどって海岸の近くの洞くつへ行くと、ナイフで刺された死体が見つかる。死体の周りには何人もの靴跡がある...
# Tri estas tro (3人では多すぎる)
警官に連れられて40歳ほどの女性が警察署へ入ってくる。「私は夫を殺しました。逮捕してください」
「僕は...僕は...」若者が震えながらもごもごと口を動かす。「落ち着いて話しなさい。どうしたんです」「僕は父を殺した」
4人警官たちが隣の部屋で大声で話しているので良く聞き取れない。「もう一度言ってくれませんか」「愛人を殺しました」と、褐色の肌をした若い女性がささやくように言う。
「3人が告白するんだ。私には強心剤がいるよ」とカーラル探偵が妻のジョーヤに言いながら、ブランデーをあおる...
# Veli morten (死へ帆をあげて)
カーラル探偵が休暇でジョーヤと一緒に海岸で日光浴をしている。望遠鏡でウインド・サーフィン(veltabulo)をしている連中を眺めている。大変上手に乗りこなしている男はどこかで見たことがあると思っていると、大きな騒音と共にモーターボートが通り過ぎる。ジョーヤが夫がぽかん口をあけているので「どうしたの?」と聞くと「撃たれた!」という返事。休暇中でも警官は警官だ。カーラルは撃った方向にある建物の方へ賭けだして行く...
# ABZ de murdo (ABZ 殺人事件)
首都で5件の連続殺人事件が起きる。被害者は Baltiks, Delvál, Fajroŝtón, Lermiona, Pluriven で、5件目の事件で、マスコミが被害者の名前が ABC 順になっていることを報道する。手口は短い矢に猛毒のクラールを塗ったもので、現場には44サイズの靴跡が残されている。動機がありそうな人物はいずれも完全なアリバイがあり、捜査は難航する。カーラル探偵もジョーヤと意見を交わしながら聞き込み捜査を続けるが、6件目として銀行の頭取 Stevan が夜道で殺され、7人目に囚人の Zajoncek が殺される。「これで世間も落ち着くだろう。アルファベットのお終いなんだから」と苦々しいジョークを口にする探偵。犯人は変質者かと思われるが...…なかなか凝ったつくりでピロンさんに敬服!
# スパイの輪 (Spiona rondo)
歩道に張り出したカフェに二人の男が座っている。スパイの実地訓練として Karera は上司の Stefson の示唆で、左側の席に座っている背の高い若者のあとをつけ、彼が何をしたかを報告することになった。その若者は友人の Stefano にスパイごっことして、近くの席に座っている怪しげな男のあとをつけるように言う。奇妙なことに上司の Stefson には美人の私立探偵が不貞の事実を突き止めようと目を光らせている。さらにアルジェリアとイスラエルの秘密警察のスパイも加わって...…収拾のつかないような話をよくもでっち上げたものだと感心! あまりに馬鹿馬鹿しい話しだが、駆けずり回るまじめに走り回る6人の尾行者たちがとてもユーモラス。
# Kiu pafis al Pipulo? (ピプーロを撃ったのは誰だ?)
トラクターを運転していたピプーロが、そのトラクターがひっくり返ってか、死んでいるとの知らせで、村中が大騒動になる。銃で撃たれて運転を誤ったようで、近くの森でその銃が見つかる。銃にはその森の保養所に来ていた一人の少年の指紋が見つかるが、その少年は銃など撃ってはいないという。少年たちは何らかの犯罪を犯した連中で矯正訓練の一環として森で集団生活をしており、村人らは何か間違いが起こるのではないかと心配していた。ピプーロは村の嫌われ者で、一人農地を手放すことに反対していて、保養施設を新たに作る妨げになっていた...
# Stefano enketas pri Ĝoja Karal (ステファーノがジョーヤ・カーラルを事情聴取する)
インド人の5歳の男の子のヒンズー語で話す内容を彼の兄が翻訳している。心理分析家としてジョーヤは録音しながら聞いている。「この子は正確に訳しているんだろうか?」「一体全体、私は何をしているんだろう」この子たちが一生懸命なのは間違いない!…インドでは、子供が前世のことを話すと、その子は早死にするとされ、親はそれを許さないという。このての話、心霊現象などに少なからぬ関心を持つ私には大いに楽しめた! ピロンさんの話術で信じさせられてしまう!
# La fantoma bovino (幽霊の牝牛)
「私が今関わっているのは3件あって、一つは大変巧みな窃盗団で、ここ3年来被害が続いているのだが全く手がかりがつかめず、レモンが私に初めからやり直せと言ってきたんだ。二つ目は旅行小切手の偽造事件。三つ目が君も知っていると思うが精神病医のピラトゥ博士が変死した事件だ」とカーラル。「ええ、彼とは社会心理学センターでしばらく一緒に仕事をしたことがあるわ。でも、変死って?」とジョーヤ。「彼はソファーの下で寝た状態で死んでいたんだ。しかも、午前4時に死んでいるというのに、朝の8時と9時に患者が訪れているんだ」…そして、何で牝牛が出てくるんだと思うが、ピロンさんの語り口にやられてしまう。またも情報局員が出てきてスパイではないかと博士を監視をしていた、など...よほど、スパイがお好きなようで...
# Stefano fuĝas de la polico (ステファーノ、警察の追跡から逃れる)
「でも、それは私の車ですよ!」カーラル探偵が、電話を受けている上司のレモンに言う。ステファーノに貸した車にテロリストが誤って爆弾を仕掛けた! 爆弾は11時に爆発するようになっているが、ステファーノは朝の8時にハイウェーを運転中。ラジオで呼びかけるが応答がない。何と、ステファーノはヒッチハイクをしていた若者を途中で乗せたのだが、彼は銀行強盗を働いて逃走中でリュックには大金が...…11時が迫ってきても逃げ回るステファーノの車を捕らえられず、なかなかにスリリングに仕上がっている! 短編だから仕方がないとは言え、偶然が(たまたま、が)多すぎる!
# Ne nur tamtamado (タムタムのせいばかりではなく)
「オネジモが! あぁー!」マリアは屋根裏部屋から駆け下り上司にアフリカ出身のミュージシャン、ネオジモの死を告げる。彼はソファーに座り奇妙な体勢で硬直して死んでいた。病死でもないし、胃の中に毒物も検出されなかった。カーラル探偵が調べていくうちに、彼のところへ数日前にアフリカから二人連れの奇妙な客人が訪れていたことが分かる。一人は盲人の若者、いま一人は老呪術師であった...
# Ritmaj lumoj en la nokto (暗闇の中のリズミックな光)
道をはみ出して事故を起こし運転手が死んだ。事故車の後部座席に不思議な装置が見つかった。一定間隔で光を点滅させる装置であることが分かる。その車を運転していたのは、麻薬密売組織から追われていた若者...…もう、初めから話が割れてしまっている! ピロンさんお得意の精神病理もの。この作品がサスペンスフルな表紙絵に使われている!
(2009. 3. 22. 最初の書き込み。)
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