
| 最近読んだ「エスペラント図書」のリスト |
Lito apud la fenestro (Betty Salt)

印象に残るいくつかの作品のあらずじ
*窓のすぐ脇のベッド…
その病院の部屋には、3人の足が不自由で動けない人たちが入っていた。一番古くから入っている人が窓際のベッドに、最近入った人はドアの近くのベッドに、ということになっていた。寒い冬の日に窓際にいた病人が亡くなり、真ん中にいた病人が窓ぎわに、ドア近くにいた人が中央にとベッドを移動した。
窓際に移った病人は、陽気な人で、窓の外を見ることのできない隣のベッドの病人に、外を通る自動車、子どもたち、風船売りなどの様子を聞かせてやっていた。真ん中のベッドの病人はそのベッドがうらやましくてしょうがなかった。...
*モールス符号…
先生のところに昔の生徒から電話がかかってくる。「授業でモールス符号を教えてもらったおかげで私は命拾いをしました。ありがとうございました」と。
先生は、隣のクラスがあまりにやかましいので、声を出すのをあきらめて、ちょうどいい機会だからと、黒板をこぶしでたたいてモールス符号の SOS を私たちに教えてくださり、皆でくつを鳴らして楽しんだことがあったでしょう、と。
ついでに、煙や光の反射を利用して信号を送ることも教わった、と。この前、出張でブダペストにいたときに、アルメニアの大地震に遭遇し、生き埋めになったのだけど、その授業を思いだして、少しだけ自由に動かせた手で、SOS の信号を送っていたおかげで助け出されたのだ、と。
(このお話もそうだが、先生って、いい職業だ、やってみたかったな、と何度も思った)
*不思議な失踪…
(世界中に良く知られている話、だそうである。シャーロック・ホームズ物を読んでいるような気分になった。ドイルさんの作品に、この話をヒントにして書いたのがあるのでは)
1889年、万国博でにぎわうパリで実際にあった話という。インドからの長旅で疲れ果てた若い女性と病気の老いた母親がやっとのことでパリに到着。ホテルに部屋をとり、すぐ医者を呼んで診てもらう。
医者は病人を診るなり、この病気には家に置いてきた特別な薬が必要であり、娘にその家へ行って薬を取ってきてくれるようにと、手紙と馬車の手配をする。
混雑した街をやっと通り抜け、長いこと待たされたあげくに薬を手渡され、帰りの馬車は、またも街の雑踏に巻き込まれる。あまりに時間がかかるのでしびれをきらし、馬車を降り、通りがかった英国人の若者を見つけて事情を話し、その若者と一緒にやっとのことでホテルにたどり着く。
しかし、ホテルの支配人はその娘に会うのは、はじめてだと言い、母親など泊まっていない、その部屋には、現に、二週間前から夫婦連れが入っている、と言う。母親はどこへ消えたのか...
*プレーリー・アネモネ…
アネモネは別名を「風の花」というそうである。雪が解けたあとに一番に花をつけ、早春の風を受けて春が来たことを知らせてくれるから...
カナダ・インディアンの Wapi が通過儀礼で、一人早春の山に入り3日間を過ごすことになる。とても寂しかったが、足元にアネモネが咲いているのを見つける。夜になって、花が寒がらないようにと自分の毛皮の外套で一緒にくるまる。
...「どのようにしてプレーリー・アネモネは毛皮の外套を手に入れたか」という副題。
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