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最近読んだ「エスペラント図書」のリスト


読書記録 (169)
Kiun libron mi legis lastatempe? 

Refoje krimnoveloj sep -- originale verkitaj en Esperanto (Ronald Cecil Gates)

『続・七つの犯罪小説』(R.C.ゲーツ) 


(20.6 x 14.6 x 0.6 cm: pp 90: オーストラリア・エスペラント協会 1994年)
( 11ユーロの値札の上に6.9ユーロの値札が貼り重ねてある。2008年のUKで買った。 )

Unuvorte
*常用の単語でスラスラと書かれたエスペラントで、辞書をそんなに引かずに読める、時間つぶしにもってこいの本。オーストラリアの田舎町で起きる犯罪の数々。入門を終えた人にお勧め。


読書メモ
*去年(2008年)の世界大会のリブロ・セルボで見かけ、もう、持っているのではないか、いや、持っていないかもしれないと迷った挙句、大会も終わりが近くなって買った本。ゲーツさんのものでこの本が抜けていたので、今は、良くぞ買ったものだと思っている。「七つの犯罪小説」「犯罪小説 第3集」の間に出版されたもので、やはり、買い損ねていた。

*このシリーズの紹介で今度も書いておきたいことは、回りくどい情景描写がかえって「起きてから寝るまで」のエスペラント表現の勉強になる点である。例えば、こんなところに。
 … Dum malfermiĝis la liftopordo, li daŭrigis, "Parenteze, ĉu vi menciis al s-ro Madigan vian suspekton?"
 "Ne! Tion mi lasis al vi."
 "Bone!"
 Tenante malfermita la pordon per piedo, Vost transdonis al la inspektoro vizitokarton, sur kiu estis presitaj adreso kaj telefonnumero, eniris, kaj premis butonon. Nolan ekpaŝis reen al la ĉambro. (Dentopasto: p.11)
 … エレヴェーターのドアが開いている間に、彼は続けた。「ところで、あなたはマディガン氏にあなたが疑っていることを言いましたか?」
 「いいえ! それはあなたがすることです」
 「結構!」
 足でドアが閉まらないようにして、ヴォスト(注:医師)は警部に住所と電話番号が記されている名刺を渡し、エレヴェータに乗り込んでボタンを押した。ノラン(注:警部)は再び部屋の方へと歩いていった。(「練り歯磨き」)


*インターネットもケータイも出てこないが、オーストラリアの中流階級の生活ぶりもよく分かり、間違いなく楽しめる。彼らは定年後は田舎で家畜(羊や牛!)を買うことを夢見ている。初学者にお勧めの本である。

*鑑識の担当者が出てくるが、彼らがすることは写真を撮ることと、指紋の検出と照合をすること。その照合も目視によるもので、コンピュータなど出てこない。高度な推理物を当てにしていると、期待を裏切られる。

*逆に、作者、ゲーツさんが音楽好きでクラシックに詳しく、FM放送でバロック音楽を録音・収集する趣味があり、牛を飼い、牧草の生育を心配し、友人夫婦を招いて奥さんと一緒にブリッジを楽しんでいるらしいことが、一連の作品から想像され、微笑ましく思う。



* tralegis: 1. 12. 2009.
  



七つのタイトルとそのあらずじなど 

# La kokinejo 「にわとり小屋」…
 新婚ほやほやのカルロとダイアナ。新しい住居を借りたばかり。ダイアナが仕事で出張している夜、にわとり小屋で物音がするのでカルロが様子を見に行くと、懐中電灯を手にした男が糞でおおわれた地面を掘り起こしている。「何をしているんだ?」と怒鳴ると、男が逃げ出していった...

# Dentopasto 「練り歯磨き」…
 マディガン夫人がホテルの浴室で歯ブラシを手に死んでいるとホテルから通報があった。ノラン警部は部下のヘミンガーと一緒にホテルに駆けつける...集中一番の長編、読み応えあり。

# La diplomiĝa tago 「卒業式の日に」…
 晴天に恵まれた秋のお昼前。元教授のケネス・ゴダードは野外で行われている卒業証書授与式を事務棟のバルコニーから守衛と一緒に眺めていた。式場の向こうには遠くまで芝生が広がっている。突然、その芝生の上を荷物トラックが猛スピードで突っ切るのが見られた。「芝生の上を車で走るのは禁じられているのに!」しかし、その車は大学の武器庫から銃器を盗んでいたばかりでなく、近くで遊んでいた幼児をさらっていた...

# La interrompitaj ondoj 「混線したラジオ波」…
 「ちくしょう!」ロジャーは録音機のスイッチを切った。自分がまだ聞いたことがないテレマンのハ長調序曲<ハンブルグ人のエッブとフルス>の録音が途中までうまくいっていたのに、ドラマ番組が混線したのか変な会話が入ってきて駄目になってしまったのだ。それにしても、「ジョージ、聞いた?」「彼を撃ったのはアンドレア・メルリンだよ」とは、何というセリフだ...

# Infanludado 「子どもの遊びにつきあって」…
 やっと静かになった。タイプを打ち始めると、今度は新しく引っ越してきた隣人夫婦がまた口論を始めたらしく、甲高い奥さんの声とご主人の低い声が聞こえてくる。彼は糖尿病でインシュリン注射が欠かせないと、この前、垣根越しに話した時にこぼしていた... 孫たちが注射器と注射液が入ったビニール袋(plasta sako) を拾ってきた。間違いなくお隣のご主人のものだろうと、届けに行くとパトカーが来て、その彼が公園に止まっていた車の中で気を失っていて、今、病院に収容されたと知らせに来ている...

# La amata aŭto 「愛車」…
 育てた子牛をせり市で売ったあと、家に帰ろうとして駐車場まで来ると妻に借りた白い高級車がなくなっている。警察に連絡すると、壊されないで戻ってくるケースはめったにないと言われ、憂鬱な気分で家に戻る。子牛の値段は下がり、飼料の値段は上がり、おまけに牧場には野うさぎが出没して、飼料を横取りされるこの頃だ...

# La lasta kazo de inspektoro Vikeri 「ヴィケリ警部最後の事件」…
 定年退職まであと一週間。ヴィケリ警部が机上の整理をしていると、地方都市に勤務する友人のジェラルド警部から電話がかかり、殺人事件で明日ヴィケリ警部の住む町に出張してくるという。帰宅しようとした警部が妻からかかった電話に出ようとして、腰の骨を折ってしまう。アームチェア・ディテクティヴとして、病院のベッド上で捜査状況を聞き友人に協力することになる。





 (2009. 1. 12. 最初の書き込み。)

 

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