
| 最近読んだ「エスペラント図書」のリスト |
Mondoj (rd. T. Chmielik, G. Handzlik, S. Johansson)

私の気に入った作品のあらすじ
*まず、秀作二つ。その一つは、「葉っぱのフレディー」を思わせる、さくらんぼう達のお話。少しばかり尻尾の長いさくらんぼうが、そのせいで鳥につつかれて見掛けが悪くなり、仲間にいじめられる。収穫の時が来て...という、年齢に関係なく楽しめる童話。Valentin Melnikov さんのエスペラント、びっくりするほどなめらか。…Ĉerizoj -- fabelo por nedifinita aĝo
*もう一つは、美文というものがあるならこれこそ、というもの。さもありなん、H. Tonkin さんが「エスペラント」誌に、これまた素晴らしい文章で絶賛した Durankulak で1998年作品賞をとった、Sabila Stahlberg さんの短編。子供の頃、夏の別荘として過ごした田舎の家を、今は都会暮らしをしている女性が訪れる。幼なじみの、その家の持主である男が銃をたずさえて戸口で出迎える。家を燃やしてしまうから、その前に見納めに来るならと言われて女性はやってきたのだが、一人でその思い出が一杯つまった家に「さよなら」を言うつもりだったのに...…La domo
*もっとも身につまされたのは、トーゴランドの Koffi Gbegro さんの二つ。一つ目は「金のなる木」のお話。外国旅行から帰ってくると、何かおみやげがないかと、親戚や知人がドッと押し寄せてくるという。外国には金のなる木(mono-ujo!)があると信じている人たち。…La monujoj senfloraj kaj senfoliaj
*もう一つは、私も日本の戦後、小学校でのことを思い出して、思わず涙ぐんだ。Koffi さんが小学生だった頃、友達に昼休みに「昼ごはんを食べに行こう」と誘われた時の返事は、「家を出る前に食べてきた」だったが、今、自分が先生になった時、昔と同じように、昼休みに食事に行かない子が教室にいる、と。…Nenio ŝanĝiĝis
*本当に涙が目からこぼれ落ちたのは Sheila Spielhofer さんの一編。語り手の私は、若いとき学生新聞の記者として時の政治家をインタービューしたことがある。彼は、戦時中牢獄で過ごしたこともあり、「小学校しか行けなかったので、外国語を習ったことがない。そこで人のすすめでエスペラントを勉強して、それがずいぶん役に立った」と、棚から薄っぺらい破れたところのある小冊子を見せてくれる。
*それで、私も、エスペラントを勉強し、その後の記者生活で彼の助けをずいぶん受ける。ある日、引退した彼が病気療養中と知り、「何かお役に立つことはないか」と電話をする。そして、脳充血で全く相手にされなくなった老人の世話に訪れる。老人がウトウトし始めたので書斎へさがり、そこで昔見せられたエスペラントの教科書を見つける。
*学校から帰ってやかましくしている孫達に向かって、その本からエスペラントの例文を読んでやっていると、「お前達3人とも、とても頭のいい子だ」と、突然、その老人がはっきりとしたエスペラントで話しかける。言語麻痺で話はできないと思っていたおじいちゃんが、この女の人には分かる言葉で、と子供達は... …La miraklo
*もう一つ書いておきたいのは Lena さんの短編。学生の頃、まだエスペラントがうまく話せないまま、友達と参加したエスペラント大会でのこと。泊まっているホテルのエレベーターで、乗り合わせたポーランド人の若者から話しかけられる。友達が木で鼻をくくったような返事をするので、かわいそうになって Lena さんは住所を教える。USSR、タジキスタン、ドゥシャンベ、...。
*「本当にやってきたらどうする?」「まさか、ドゥシャンベまでは。しかも、ビザがいるし、招待状はいるし」。ある日学校から帰ってくると、お母さんが「あなたの部屋にお客さんが待っている」と笑いながら言う。「どうして私のお客だとわかったの。言葉が通じないのに」「だって門の外で大声で(エスペラント。ポルスカ。…エスペラント。ポルスカ)と叫んでいるのだもの」。そして、...今度は彼女がポーランドを訪問することになる。その旅行は彼女にとって忘れられないものになる。…La pluvo en Ĉenstoĥovo
*編集者の一人 Handzlik さんの物(La tago de la fina venko)も面白いが、この内容については「エスペラント100の効用」の(24)で。
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