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最近読んだ「エスペラント図書」のリスト


読書記録 (13)
Kiun libron mi legis lastatempe? 

Mondoj  (rd. T. Chmielik, G. Handzlik, S. Johansson)


(20.8 x 13.1 x 1.6 cm: pp 213: 2001 年刊行)

Unuvorte
*この本を読まないで「グローバリゼーション」と言うなかれ


読書メモ
*エスペラントをやってて良かった。このような素晴らしい本が楽しめるのだから。世界各地の、現役の、老若あわせ30人のエスペランティストによる34編のお話。ハードカバーで、愛蔵版といった趣のある製本もたまらない。

*「現役の」とわざわざ言うのは、この本が2001年編となっているから。何カ国から30人なのかはっきり書けないのは、作家の中には生まれた国と現在住んでいる国が違う人がいたり、「私は世界人(mondcivitano)だ」という人がいるから。

*その代わり5大陸(kontinento) から、とある。でも、アジアの作家が一人も入っていないのは残念。もとはといえば、 Handzlik さんのアイデアで、彼のメールアドレスにある作家に呼びかけて原稿を集めているのでしかたない事かもしれない。

*各作品の冒頭には小さい白地図があって、作家の関係している場所が黒い点でマークされている。そして、作家の生年、星座、ペンネーム、好きな食べ物、趣味、モットー、作品などが小さな字でまとめられている。これらへの回答も作家の個性が出ていてとても面白い。星座にクロコディーロ(エスペラントで「わに」)と書いた人がいた。えっ、星占いに「わに座」ってあったかな。

*2002年版(rikolto 2002)も是非出してもらいたい。次には、もう少しプリントミスを少なくして。

*la Bato の Lena さんのや、Steele さんのもあり、最後は(著者をアルファベット順に並べたために) Spomenka さんのもの。

* tralegis: 11. 4. 2002



私の気に入った作品のあらすじ
*まず、秀作二つ。その一つは、「葉っぱのフレディー」を思わせる、さくらんぼう達のお話。少しばかり尻尾の長いさくらんぼうが、そのせいで鳥につつかれて見掛けが悪くなり、仲間にいじめられる。収穫の時が来て...という、年齢に関係なく楽しめる童話。Valentin Melnikov さんのエスペラント、びっくりするほどなめらか。…Ĉerizoj -- fabelo por nedifinita aĝo

*もう一つは、美文というものがあるならこれこそ、というもの。さもありなん、H. Tonkin さんが「エスペラント」誌に、これまた素晴らしい文章で絶賛した Durankulak で1998年作品賞をとった、Sabila Stahlberg さんの短編。子供の頃、夏の別荘として過ごした田舎の家を、今は都会暮らしをしている女性が訪れる。幼なじみの、その家の持主である男が銃をたずさえて戸口で出迎える。家を燃やしてしまうから、その前に見納めに来るならと言われて女性はやってきたのだが、一人でその思い出が一杯つまった家に「さよなら」を言うつもりだったのに...…La domo

*もっとも身につまされたのは、トーゴランドの Koffi Gbegro さんの二つ。一つ目は「金のなる木」のお話。外国旅行から帰ってくると、何かおみやげがないかと、親戚や知人がドッと押し寄せてくるという。外国には金のなる木(mono-ujo!)があると信じている人たち。…La monujoj senfloraj kaj senfoliaj

*もう一つは、私も日本の戦後、小学校でのことを思い出して、思わず涙ぐんだ。Koffi さんが小学生だった頃、友達に昼休みに「昼ごはんを食べに行こう」と誘われた時の返事は、「家を出る前に食べてきた」だったが、今、自分が先生になった時、昔と同じように、昼休みに食事に行かない子が教室にいる、と。…Nenio ŝanĝiĝis

*本当に涙が目からこぼれ落ちたのは Sheila Spielhofer さんの一編。語り手の私は、若いとき学生新聞の記者として時の政治家をインタービューしたことがある。彼は、戦時中牢獄で過ごしたこともあり、「小学校しか行けなかったので、外国語を習ったことがない。そこで人のすすめでエスペラントを勉強して、それがずいぶん役に立った」と、棚から薄っぺらい破れたところのある小冊子を見せてくれる。

*それで、私も、エスペラントを勉強し、その後の記者生活で彼の助けをずいぶん受ける。ある日、引退した彼が病気療養中と知り、「何かお役に立つことはないか」と電話をする。そして、脳充血で全く相手にされなくなった老人の世話に訪れる。老人がウトウトし始めたので書斎へさがり、そこで昔見せられたエスペラントの教科書を見つける。

*学校から帰ってやかましくしている孫達に向かって、その本からエスペラントの例文を読んでやっていると、「お前達3人とも、とても頭のいい子だ」と、突然、その老人がはっきりとしたエスペラントで話しかける。言語麻痺で話はできないと思っていたおじいちゃんが、この女の人には分かる言葉で、と子供達は... …La miraklo

*もう一つ書いておきたいのは Lena さんの短編。学生の頃、まだエスペラントがうまく話せないまま、友達と参加したエスペラント大会でのこと。泊まっているホテルのエレベーターで、乗り合わせたポーランド人の若者から話しかけられる。友達が木で鼻をくくったような返事をするので、かわいそうになって Lena さんは住所を教える。USSR、タジキスタン、ドゥシャンベ、...。

*「本当にやってきたらどうする?」「まさか、ドゥシャンベまでは。しかも、ビザがいるし、招待状はいるし」。ある日学校から帰ってくると、お母さんが「あなたの部屋にお客さんが待っている」と笑いながら言う。「どうして私のお客だとわかったの。言葉が通じないのに」「だって門の外で大声で(エスペラント。ポルスカ。…エスペラント。ポルスカ)と叫んでいるのだもの」。そして、...今度は彼女がポーランドを訪問することになる。その旅行は彼女にとって忘れられないものになる。…La pluvo en Ĉenstoĥovo

*編集者の一人 Handzlik さんの物(La tago de la fina venko)も面白いが、この内容については「エスペラント100の効用」の(24)で。





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