
読書記録 (129)
Kiun libron mi legis lastatempe?
Mia nome ne gravas... (Mikaelo Bronŝtejn)
『私の名前などどうでも良い...』 (ミカエロ・ブロンシュテイン)

(ムズプロム-MO 社 モスクワ 2003 年発売)
Unuvorte
*ブルーナ・シュトーノ(茶色の石)の愛称で知られるブロンシュテインさんの CD アルバム
読書メモ
*この秋(2006年)の芦屋エスペラント会恒例の入門講座に、人集めのため「歌で学ぶエスペラント」と、関心を呼びそうな修飾文をつけた。そして、これまでに持っているものやら、ほしいと思っていた CD アルバムを買い集め、集中的に聞き、かつ、テキストになりそうな歌詞を探し始めた。ミカエロ・ブロンシュテインさんの、このギターの弾き語りの CD は、彼のエスペラント・オリジナルの小説「ジャンブルグでは銃声はしない」を読みかけていたこともあり、その優しい声に聞きほれた。
*歌詞が載っている小冊子は白黒で両面コピーして裁断したもので、16頁(18曲)もあり、内容はたっぷり。まるで、ブロンシュテインさんの詩集であるかのよう。読みでがある。全体の曲の調子は音程にあまり幅がなく、歌いやすい。最初はどれも同じような曲に思える。
*ディスクの盤面には "oraj kantoj - 5" とあり、この類の CD がシリーズで出されているのだろう。皆、ブロンシュテインさんのアルバムなのだろうか。
*その小冊子の表紙裏にハンズリックさんがブロンシュテインさんに請われて序文を書いている。二人はお互い尊敬しあう友人どうし。ハンズリックさんのお嬢さんが、エスペラントを勉強する努力の甲斐はブロンシュテインさんの歌を楽しむためにある、と言っていると。
*そして裏表紙には、'Mi estas' のアルバムで知られるジャックさん(Jak le Puil) も賛辞を寄せている。「この世の中を耐えて生き抜くためにはユーモアが必要だ、たとえ、『新しい状況(Novaj kondiĉoj)』下になっても」と。
CDに採録されている歌の題名
Mia nomo ne gravas... …エスペラント合宿のテント(テンダーロ)でギターを抱えて歌うブロンシュタインさんの姿が目に浮かぶ。「私の名前などどうでも良い。年齢など、さらにどうでも良い。このささやかな歌を私はあなた方に紹介したい。人生の荒波のうちに消え去った友人のことが残念で、歌おうと思った。単純な動機だよ。...」と、歌い始める。
Novaj kondiĉoj …ブレジネフ体制になって活発だったロシアの青年エスペラント運動に新体制がもたらされるといううわさがこの年(1978年)のエスペラント・キャンプにもたらされる。その新しい状況がどうなるのかはまだ雲の中だが、少なからぬ不安を皆が感じている。「ジャンブルグでは銃声はしない」でもこの歌のことが書かれている。
Kantoj de "leganto" …キャンプでは「本」は「(安)酒」のこと。このあたりのいきさつも「ジャンブルグでは銃声はしない」に詳しい。エスペラント大会の一日の行事が終わった後のテントの中で、若者たちが朝まで飲み明かす...
Oksikoko … 'oksikoko' は「ツルコケモモ」。
Tambura tango …タンゴのリズムで。
Amazonka …楽しい合唱。1981年のブラジリアで開かれたエスペラント世界大会に行きたいが、行く連中はエスペラントが話せない政府関係者ばかり、との皮肉が込められている。SEJMの活動が抑圧された以後のこと。
Radikoj de l' dubo …将来に対し、なんとなく不安を感じている暗い歌。
Aĥ Moskvo... …モスクワへの思い。
Ivanovo …北方の都市の名前?
"Mi diras al ŝi..." …ロシア語(?)しか話せない女性との掛け合い。エスペラントの大会も最終日になって、女性もエスペラントで答える。女性の声はとてもきれい。
Gluĉataj …
Amitaj, amataj, amotaj …動詞の受動態語尾がリフレインでうまく使われている。
Blanka nokto …
Kvindeka vintro …何もしないうちに50回目の冬を迎えてしまった。
Niaj trajnoj (por Nataŝa kaj Ĵomart) …ジョマートとナターシャが歌っている。素敵な歌。一つの節に 'mal-' がついた単語が4個出てくるところがある。ブロンシュタインさんがニヤリとした箇所だろう。
Okazo dum la censo …国勢調査に訪れた若い女性との問答。Estas li, Esperantisto! とリフレインのように。
Al la amikoj …歌詞も曲も分かりやすくて良い。エスペランティストへの優しい思い。
La adiaŭa …合唱曲。少しさみしく、けれど、なかなかに楽しい。
(2006. 10. 14. 最初の書き込み。)
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