
| 最近読んだ「エスペラント図書」のリスト |
Memori kaj forgesi (Trevor Steele)

5作品の概要
*白人の少年が親から注意されているにもかかわらず、アボリジニーの兄、妹と友達に。親が道路工事で働いているため、その子達は不定期にしか学校に来られない。悲しい別れ。思い出を消すために森の小さな滝を、ふたたび訪れる。…Memori kaj forgesi
*1950年代の、まだテレビがなかった頃。北部クイーンズランドの山村で。夜7時半から9時までの情景をすべて地の文で描写。若い恋人どうしがソファーでラジオを聞きながら話をしている。その部屋へお母さんがやってきて3人でお茶を飲んでいると、若者が突然おならをする。父親も仕事から帰ってきてビールを飲み始める。…Aminduma vespero
*全体が、田舎にホテル住まいをしている若い青年教師ヒューゴが恋人のリタさん宛てに、3月から6月末まで2週間おきに出した手紙文からなる。周囲の人たちの教養のなさを痛烈な皮肉一杯の文章を並べて恋人に訴える。土地の有力者がダンロップ・ラリーの北部での折り返し地点を地元まで延ばし、自らの企業に利益をもたらそうと奔走する話が中心。なかなかに楽しめる。手紙のはずなのに、Steele さん、つい、筆がはしって小説風になってしまう。…Mia kara Rita!
*「こんなつまらないものを書かないで、もっと何か教育的な題材はないのか!」との編集者からの手紙に答えて書いた、という前書きがあって、名もない田舎の、具にもつかない男が、-- 2 と S で字が違っていることが、学校へ入ってから何年もたって分かった男、女性と見たらすぐ手を出したがる男が、-- オーストラリアのメディアを支配する大物になるまでの、奇想天外な、しかしありそうな話が展開。…Heroo de nia epoko
*この作品も、博士論文として資料を集めていたが、病気になって続けられなくなったので文学風にまとめた、との前書きのあと、「我が仕事に対する弁明」とのラテン語のタイトルがつけられた、クロード・ウッド師の手記から話が始まる。この本の5編の中ではこの作品が一番の秀作。
UPA (オーストラリア統一人民協会、とでも仮に訳しておく;アボリジニーの赤ちゃんを、親から引き離して西欧の文化の中で教育して自立させるという運動を、キリスト教の伝道師を中心に展開)のクロード師が、アボリジニーの中でも良く出来た娘、グロリアを、キリスト教に感化されたアボリジニーの男性と結婚させて、アボリジニーの人たちの、精神的にも、物質的にも未開の社会を、内部から変えてゆこうと奮闘する話。
クロード師と、アボリジニーのハーフの若者チャド(アボリジニーの母から引き離され、白人夫婦に預けられて西洋の教育を受けている)との、individuismo と kolektivismo の論争は、特に印象に残る。Steele さんの主張する、異文化の理解の大切さがよく訴えられている。…Savo de nigra animo
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