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BIBLIOGRAFIO-1


Sten Johansson

 … 「ラ・レヴーオ・オリエンタ」 2003年7月号7頁(通巻、247頁)

  私のホーム・ページに、1冊ぐらいは大作をリストアップしようと、 “La mirinda vojaĝo de Nils Holgersson”を2ヶ月ほどかけて読み終えた。ステ ンさんに心から感謝したいと思った。セルマ・ラーゲルレーフさんの歴史的名 作が、ステンさんの読みやすいエスペラント訳で出版されなかったら、私が、 ニルスやガチョウたちと一緒にステンさんの国を旅することはなかった。しか し、これはステンさんの翻訳物である。ステンさん自身はどんな人であり、ど んな作風なのだろうか。

  本誌2月号で私は “Mondoj” という本を紹介し、自分の星座を「わに座」 とし、モットーは「二兎追う者は、健康を得る」と書いた作家がいる、と書い たが、この人こそステンさんなのだ。彼は1950年生まれのスエーデン人、カル マル市の職員、趣味はスキーとスケートによる遠足(”Denaska kongresano kaj aliaj noveloj”の中の”Spuro en blanko”で、その一端を知ることがで きる)、と”Mondoj”に書かれている。ステンさんのホーム・ページによる と、1966年にエスペラントの勉強をし、1982年にスエーデン文学のエスペラン トへの翻訳を始め、1986年にオリジナルを書き始めたとある。作風は、ウイッ トに富んだ表現が一杯の読みやすいエスペラント、と言ったらよいだろう。 「1933年、ある元伍長がちょっとばかり大きすぎる演壇に登っていた頃」と、 ヒットラーの台頭を書いたりして(”Ĝis revido krokodilido!”)、どの作 品も随所で楽しませてもらえる。以下に、ステンさんの本を列挙する。

  初級向けが「ゲルダ」以外にもあることを知った、「易しい読み物」とある 2冊は、“La krimo de Katrina”“Kion ajn”.過去のロマンスを回想し ながら、バスに揺られて昔の女友達を訪ねる長編小説の “Dis!”.この本 の、扇情的な表紙写真は編集者が勝手に選んだもので、ステンさんの好みでは ない。スベドベルグ警部とヤンケウス刑事のコンビによる3冊の犯罪小説、” Falĉita kiel fojno””Trans maro kaj morto” “Neĝo kaŝas nur…”.しかし、本格的な謎解きを期待してはいけない。「子ども向けの短 編ロマン」とある “Mistero ĉe nigra lago” は、女の子が描いたと思われ る挿絵が何枚もあり、それぞれの絵が内容を理解するのにとても役立つ。4篇 の舞台劇が収められた”Interkona mateno”.上述の”Denaska kongresano” は、ステンさんの初期の作品集で、UEAの文芸コンクールで受賞した作品がい くつか収められている。まじめな作品と気楽に書いた作品を送ると、いつも後 者ばかりが受賞するので、「大衆は−50人ほどの、この地球に住んでいて本を 読むエスペランティストのことだが−文学の真価を理解できない」ことが分 かったと、”Ĝis revido krokodilido!” の中で、ステンさんはいたずらっ ぽく皮肉を言っている。

  余談だが、エスペラント誌(n-ro 1159, p.100)への彼の寄稿で、日本語で 読んだマイ・シューヴァルさんとペール・ヴァールーさんのペアによる「ロゼ アンナ」が、エスペラントに訳されていることを知り、ステンさんの翻訳なら 読みなおそうと、彼のホーム・ページで調べてみると、書評集の項に「ロゼア ンナ」があり、マルテさんの訳は、文法の誤りや逐語訳が多く、スエーデン語 特有の表現もそのまま使われているなどで薦められない、とあってがっかりし た。逆に言えば、自分の書くものにはそういうことがない、ということをステ ンさんは宣言しているかのようである。ますますステンさんの本をお薦めした くなる。(5月20日、2003年)





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