近鉄大阪線の大和八木駅から山深い紀伊半島を南へ縦断、秘境といわれた十津川村を経て黒潮洗う新宮へ抜ける有名なこの路線、新宮から京阪神へ戻る形で乗車してみました。 (バスの写真はここ)
新大阪を23時前に出発した紀勢本線の夜行鈍行は、翌早朝の5時過ぎに新宮に到着、これに合わせ駅構内のそば屋が営業を開始、駅前の喫茶店も開いており、朝食に困ることはありません。
新宮からの朝一番は、6:15に発車しますが、この時間ではバスの窓口は開いておらず、運賃は車内精算となります。
新宮市内を抜けて国道168号線に入り、右手に熊野川を見ながら走ります。両岸に山が迫っていますが、川幅は比較的広く、流れは緩やかそうです。
新宮から約1時間の請川で一旦国道から外れ、川湯温泉の旅館街を通ります。トンネルを抜けると、狭い道を上り、山の湯といった風情の湯ノ峰温泉に到着します。ここ始発のバスも何本かあります。
一つ山を越え、168号線に戻ったところが熊野本宮大社前。ここからいよいよ紀伊山地へ分け入っていきます。
奈良県に入り、新宮から2時間ほどで十津川温泉です。ここで途中下車し、五条までのきっぷを買います。2日間有効の「R168バスハイク乗車券」で、天辻まで途中下車可能です。谷瀬の吊り橋(全長297m)にちなんで、長さ29.7cmの細長い切符です。
次の便は9:25の五条行き各停で、20分先の十津川役場前まで乗車。道路を挟んで民俗資料館があり、山村の生活についての資料などが展示されています。
更に北上していくと、風屋ダムの大きな堰堤が見えてきます。その右手の方をのぼり詰め、ダム湖を見ながらのルートとなります。
十津川村役場から約1時間で上野地に到着。谷瀬の吊り橋はここが最寄りです。特急バスは休憩時間として20分(遅れていれば短くなります)ほど停車しますが、橋を渡るなら、バスをずらした方がよいでしょう。
有名な谷瀬の吊り橋は、長さ297m・高さは54mあります。吊り橋なので風や渡っている人が起こす振動で、かなりゆらゆらしているように感じました。高いところはそう苦手でないのですが、頭では安全とわかりつつも本能的な恐怖心を感じます。
地元の人は自転車や原付バイクで平気で渡るそうですが、この日はほとんど観光客で、そのような人は見かけませんでした。吊り橋を再び渡って戻る気にはなれず、川上の低い位置にある橋まで迂回して、上野地のバス停に戻りました。(^_^;;
熊野川をさらに上っていくと、十津川村から大塔村へ入ります。やがて最上流の猿谷ダムが現れ、ダム湖沿いにしばらく走ります。
阪本の集落で湖を渡ると、いよいよ分水嶺の天辻峠に挑みます。つづら折りの峠道を上り詰めると、ふるさと会館や道の駅などがあり、眼下に先ほど通った猿谷ダムの貯水池を望むことができます。
新天辻トンネルを抜けると西吉野村で、ここから下る一方になります。やがてコンクリートの高架橋が現れてきますが、五条と新宮を結ぶ鉄道線の一部になるはずだったものです。現在はJRバスの専用道路として使われています。
紀ノ川沿いの平地まで下りてくると、五条の街に入ります。わたしはJR和歌山線の五条駅前で降りましたが、特急バスはさらに近鉄大阪線の大和八木駅へ向かいます。