祖谷渓をさかのぼってかずら橋へ

 四国山中に位置し、「秘境」と呼ばれる祖谷のかずら橋。公共交通機関利用の場合、JR阿波池田駅からバスに乗り換えます。

 かずら橋方面への四国交通バスのルートは2つあり、これも観光地である大歩危峡、祖谷渓道路を経由するのがメインルートです。観光バスも、整備されたこのルートをとります。

 今回はもう一つのルートである、祖谷渓をひたすら遡っていく路線バスを利用しました。

 阿波池田駅から祖谷口駅付近までは、大歩危まわりと同じく吉野川沿いを走ります。両岸に山が迫っているものの、この付近では川幅もそこそこあり、さほどの急流ではありません。

 祖谷川との合流点で吉野川を渡り、かずら橋への山道を登り始めます。この先狭隘区間が多く、長さ9mを超える大型車は通行できないとの標識があります。

 途中の出合までは道路が拡幅された区間も多く、右側車窓に見える祖谷川の水面も、さほど遠くありません。

 本格的な険路は出合を過ぎてからで、ここから先、路線バスは1日3往復しかありません。

 等高線沿いに山腹を巻いているうちに、右側の祖谷川が少しずつ眼下へ遠ざかってゆきます。対向車とは滅多に出会いませんが、すれ違うときは、どちらかの車が、比較的道幅の広い場所で待機するか、待避所まで後退することになります。

 阿波池田駅から1時間弱で祖谷渓温泉のバス停に到着。駐車場も整備されており、祖谷渓では観光客で最も賑わう場所です。温泉は祖谷渓の谷底にあり、ケーブルカーに乗り換えて下っていくことになります。

 祖谷渓温泉の先、池田町と西祖谷山村の境界あたりが、最も谷が深くなっているようで、道路から川面までの高低差はおよそ170mあります。

 ここから高低差が縮まり、10分ほどで西祖谷山村の中心部−一宇に到着。ここで大歩危峡からの道路と合流し、かずら橋まで整備された快適な道となります。阿波池田駅からかずら橋まで約1時間15分。(大歩危まわりでは約1時間)

 観光客で賑わう「かずら橋」は、地名から「善徳のかずら橋」とも呼ばれており、渡るときに大人500円を支払います。これをもとに3年ごとに架け替え工事が行われるとのことです。

 かずら橋は右岸から左岸への一方通行で、四国交通のバス停へは、並行するコンクリート橋を渡って戻ることになります。

 尚、さらに東の剣山麓にも「奥祖谷かずら橋」があるのですが、路線バスの便はありません。

 

 帰りは大歩危方面へ、西祖谷山村営バスに乗ります。バス停は四国交通のりばの対岸にあり、かずら橋を渡ってから右手に少し登ることになります。 村営バスとはいっても、少し大型のワンボックスカーです。

 かずら橋から一宇までは四国交通バスの便もありますが、村営バスはつづら折りの険路を山の上の集落までどんどん登っていき、祖谷川の流れを遙か下に見ることができます。

 登り切ったところで祖谷川との高低差は約250m、しばらく山の上を走った後、一旦下って一宇着。

 一宇から大歩危駅までは、四国交通バスとほぼ同じルート、祖谷渓道路を走りますが、祖谷渓トンネルの手前で再びつづら折りの旧道へ分け入り、高所にある集落を経由します。(一部トンネル経由の便もあります)

 峠の前後では四国山地の山並みを見渡しながらの走行で、村営バスならではの車窓を楽しめます。

 再び祖谷渓道路と合流すると、下り坂を快調に走り、間もなくJR土讃線との乗り換え地でもある大歩危駅前に到着します。

 なお、祖谷渓・大歩危峡には定期観光バスも運行されており、こちらはボンネットバスが使われています。

 

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